ラジオに出てしまった

5月19日。ガレージで目を覚ます。昨日は嵐だったのでとても助かった。おばちゃんにお礼を言って出発。昨日はほとんど走れなかったので、距離を稼ぐことにする。鳥取県に入って弓ヶ浜を見ながら走る。そのあと、大山を見ながら国道9号をひたすら走る。途中で職務質問を受けた。この旅で2回目だ、やっぱりウサギで自転車に乗って、旅をするのって変なのかな?他のチャリダーの人も職務質問を受ける事があるんだろうか?でも、悪い事はなにもやってないから、大丈夫。

国道9号を追い風に乗って走っていると、車が1台、いきなり止って、俺を呼び止める。何だろうと思って、車の方に行ってみると、車に乗ってるおじさんが「ウサギさん、ラジオに出てるよ」と、教えてくれた。ちょっとビックリした。何だかよく分らないけど、この辺で有名な山陰放送で俺の事を話題にしているらしい。おじさんの車のカーラジオで聞いてみると本当に俺の事をやっていた。「ウサギの目撃情報を~」とか、「いったい何のために自転車で走っているのでしょう?」等とパーソナリティーはいっていた。おじさんは携帯で山陰放送に電話をかけた。そして、俺はパーソナリティーの人と電話で話す事になった。ラジオでは2日ぐらい前から、俺のことを見かけた人から電話が掛かってきていたらしい。俺の目撃情報がたくさんラジオ局に寄せられているという事だった。ウサギはどんどん東に移動しているし、いったい何をしているのか?そんな事が話題になっていたらしい。そんなふうに話が盛り上がっている時に、一人のおじさんに見つかったのだ。パーソナリティーの人はまず、俺がなにをやっているのかを知りたかったらしい。俺は指宿から札幌までママチャリで旅をしていること、アラスカに行って、日本という国の事を知らなかった事、ウサギでやってみようかな?と、言ってしまったら、引っ込みがつかなくなってしまった事、等など、ラジオを聞いている人が疑問に思っている事を解決してあげた。当然、パーソナリティーの人も俺を見つけたおじさんもビックリしてしまってたけどね。

ラジオに出た後も行けるとこまで、ひたすら走る。しかし、トラックやダンプのドライバーさんが手を振ってくれたり、クラクションを鳴らしてくれたりして、俺のことを応援してくれる。きっとみんな、ラジオを聞いてくれていたんだろう。他にも、ラジオを聞いたよって言って、ジュースを差し入れしてくれたり、おやつを差し入れしてくれたり、他にもたくさんの人が手を振ってくれるようになった。ラジオに出る前と比べて、俺に対する声援が格段に増えた。特に、トラックとダンプが凄かった。ラジオのパワーってとてもスゴイ。俺も気合が入って、頑張って走る。更に追い風を受けて、今日は相当距離を稼ぐ事ができて、無理だと思っていた、鳥取砂丘に着くことができた。しかし、だいぶん暗くなってきていた。しかも腹も減っていたので、テントを張る前に飯を食べる事にした。砂丘の近くに食堂があったので、そこで飯を食べる。すると、そこで飯を食べていた旅の途中のライダーの2人と仲良くなって、夕食の後にお酒を飲みながら、旅の話をする。いろいろと話をして、夜も遅くなってきた。ライダーの一人が近くにあるキャンプ場を知っているというので、今日はみんなでそのキャンプ場で寝ることにした。バイクとチャリンコの違いはあるけど、3人ともテントを持って旅をしている旅人という事では同じだった。

 テント設営地:鳥取市、鳥取砂丘の近くの浜坂のキャンプ場。

5月20日。朝、起きてみると、キャンプ場にもう一人チャリダーがいた。昨日の2人のライダーと、俺を含めて、4人で旅の交流をした。みんなそれぞれ、自分の旅のスタイルを持っている。ちょっとの間だったけど話をして、俺は先に出発する事にした。キャンプ場のすぐ近くに鳥取砂丘があったので、出発してすぐに鳥取砂丘に行く。鳥取砂丘を観光。とりあえず、砂丘の高い所まで行ってみる事にした。眺めはとてもよかった。海も見る事ができた。鳥取砂丘はとても大きくて、まるで砂漠の様だった。

鳥取砂丘を堪能した後、今日もひたすら走る。ラジオの影響は今日も残ってて、ダンプやトラックが手を振ってくれたり、クラクションを鳴らしてくれる。他にも、ラジオを聞いていた人にジュースの差し入れをもらったりしながら走って行く。今日のルートは小さな峠がいっぱいあって、登ったり下ったり、けっこう大変だった。しかも、地味に建設省の嫌がらせもある。それでも、着々と進んで行く。途中で日本一周をしているライダーと出会い、少しばかり話をした。

今日も温泉を目指して走ることにした。地図で竹野温泉を発見して、そこを目指して走っていった。ちょっと早く着いてしまったけど、温泉に入りたいから、今日はここでおしまい。テントを張れそうなところを探しつつ、温泉を探す。温泉発見。しかし、今日は定休日らしい!温泉は閉まっていて、ショック!でも、定休日なら仕方がない。他に温泉がないか探してみると、もうちょっと先に城崎温泉がある。まだ、時間はあるから、頑張って走れば明るいうちに着けそうだ。そうと決めたら、1分でも早く動いた方がいい。そんなわけで、ラストスパート、頑張って走る。頑張ったかいあって、何とか明るいうちに城崎温泉に到着。でも、なかなかテントを張れそうなところを見つけれない。テントを張れる場所を探しているうちに女のこ2人組と知り合う。彼女達にテントの張れる所を教えてもらえた。彼女達にお礼を言って、テントを張って、人間に戻って温泉に行く。温泉は本当にいいね。この旅で温泉が好きになってしまったよ。有名な温泉がいなだけあって、風情があるステキな温泉だった。

 テント設営地:城崎町、城崎町公民館の敷地。

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