走れ山陰

5月15日。やっと九州を脱出できた。とうとう本州だ。頑張って走る。今日も建設省の嫌がらせがあったけれど、なるべく歩道を通らない様にして、建設省の嫌がらせを避けながら走っていった。走っていくと萩市に入った。ここは有名な武家屋敷や、昔の町並みが残っていて、有名な観光地らしいので、寄って行くことにした。その名の通り、武家屋敷と昔の町並みと観光客がたくさんだった。

萩を後にして、国道191号をひたはしる。すると、また野犬に吠えられた。今回は追いかけられなかったけど、山口県は野犬が多いのだろうか?そして、今回の旅で始めて、警察官に職務質問をされた。ネホリハホリと聞かれた後に、「車に気を付けるように」と、忠告されて、開放された。その後も、ずーっと海を見ながら走って行く。今日はゆとりパーク田万川という所でテントを張る事にした。ここは温泉があるのだ!早速テントを張って、人間に戻って温泉に行った。昨日に続き今日も温泉で、気持ちよかった。日本はステキな温泉がたくさんあって、素晴らしい国だ。風呂あがりに、温泉で夕食を食べて、ビールまで飲んでしまって、とても満足な夜になった。

 テント設営地:田万川町、ゆとりパーク田万川の芝生。

5月16日。今日はひたすら走った。かなりの距離を走ることが出来た。国道191号から、国道9号に入っても、ひたすら走る。途中でオバちゃんがバナナをくれたり、道の駅でたくさんの人に囲まれて、写真を撮られたり、走ってる車に手を振ったり、振られたり。今日はそれでも、ひたすら走る。何故なら、ちょっと無理して走ったら、今日も温泉に入ることが出来るのだ。温泉目指してスピードを上げて走った。

なんとか明るいうちに、今日の目的の温泉、温泉津温泉に到着した。ここは1300年前から涌き出ている名湯なんだと。早速、テントを張って、人間に戻って温泉に行く。小さいけれど、風情があって、いい温泉だった。

 テント設営地:温泉津町、温泉津温泉の所の港。

5月17日。朝、テントをたたむ前にいつもの様にウサギになる。ここまで、一回も洗ってないのでとても臭くなってきている。ウサギを着るのがイヤになってきた。早く洗濯しないといけないと思いつつ、我慢してウサギになる。そう言えば、出発の時にはピンクのウサギだったのに、なんだか灰色のウサギになってきてるような気がする。

今日も、日本海側の国道9号をひたすら走る。色々な人に手を振ってもらえたり、たくさんの人に差し入れをもらったりした。山陰地方はいい所だ!もう少し進んで行くと出雲大社があるので、寄っていく事にする。

しかし、もう少しで出雲大社に到着、という所を走っていると、風がとても強くなってきた。しかも、向かい風だ!本当に強く吹いてくる風なので、なかなか前に進まない。一生懸命ペダルを踏んでも、ほとんど進んでくれないのだ。目にゴミも入るし、とてもヒドイ状態になってきた。チャリで走るのがイヤになってきて、これ以上どうしても向かい風で走りたくなくなった。仕方なく、降りてチャリを押すことにした。チャリを押して歩くのとチャリに乗って走るのとスピードはあまり変わりなかった。そんなこんなで、向かい風と戦いながらも、なんとか、出雲大社に到着。嬉しかったので、写真を撮ってしまった。

出雲大社で一人の地元の女の子に出会う。彼女の案内で出雲大社を見学した。日本中の神様が集まる神社というだけはある。なんだかとてもスゴイ神社だ。俺、感激。彼女に本殿やいろいろ案内してもらって、2人でいっしょに御前りしてきた。彼女とは俺の旅の話をしたりして別れた。そして、夕方には出雲大社を後にして、またチャリで走り始める。走り始めてすぐに、彼女が友達と車でやって来て、もう一度写真をとって、お別れした。もうすぐ夕日が沈みそうだった。

 テント設営地:出雲市、大寺薬師近くの空き地。

5月18日。今日は雨の日だった。朝、雨がなかなか上がらないのでテントをたたんだのが10時頃になってしまった。今日の天気は曇っていたり、小雨が降ってきたりして、いやな感じだった。この旅で始めてカッパを着た。カッパを着てしまうと、ウサギなのか何なのかよく分らなくなってしまった。身体は普通のカッパで頭だけウサギになっていて、ちょっと恥ずかしかった

国道431号を走って、宍道湖を見ながら松江市を目指した。松江城を見学して、出雲そばを食べながら雨宿りをした。松江城を見学した後も、雨が降りそうで、なかなか思うように走ることが出来なかった。そんな訳で、今日は早めに終わることにした。テントを張れる所を見つけて、寝る準備をしたけど、荷物がほとんどビチョビチョになってしまってる。雨降りの日はしょうがないのだろう。夜になって、雨は一段と強くなってきた。

テントの中で寝ていると、おばさんが「寒くないのかい」と、声を掛けてきた。「寒いです」と、答えると、家においでと言ってくれた。どうしようか迷ったけど、けっこう寒かったので、お言葉に甘える事にした。家の中に上がらせてもらうのはちょっと気が引けたので、ガレージを借りる事にした。更にお風呂も入れていただいた。本当に助かりました。ありがとう!お風呂から上がって、おばちゃんと少しお話をした。おばちゃんは俺のようにチャリやバイクで日本を旅している人が大好きで、何人も泊めているのだそうだ。俺も今回の旅の話をした。夜も更けてきて、おばちゃんの家のガレージで寝る。外はとても強い雨と風が嵐のようだった

 テント設営地:美保関町、下字部尾の親切なおばちゃんの家のガレージ。

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