第6日目 統一会堂観光

最終日の朝が訪れた。市場に朝ごはんを食べにでかけ、ポーでお腹を満たしてから宿に戻ってシャワーを浴びる。シャワーの後は慌しくパッキングを済ませて、ホーチミン行きのバスターミナルに行く。バスは10時にヴィンロンを出発して、まっすぐにホーチミンを目指して進んだ。

快適なバスの旅を楽しんでいるうちにホーチミンのバスターミナルに到着した。しかし、ホーチミンに到着したのは確かなのだが、ホーチミンのどこに到着したのか判らない。仕方がないので、値段交渉もそこそこにして、バイタクに乗ってカテドラルまで連れて行ってもらった。到着したバスターミナルからカテドラルまでは思っていたよりも長い距離があったので、バイタクを利用して正解だ。

カテドラルの前では花婿と花嫁が結婚写真の撮影会をしている。しかも、100メートルも離れていないところでもう1組のカップルが結婚写真の撮影会をしている。結婚写真を大々的に撮るのは特別な事ではなく、普通の事なのだと確信できた。

最終日になってしまったが、日本に絵葉書を送るために中央郵便局に来た。

中央郵便局の建物も観光地になっているらしく、日本や欧米からツアー客が訪れていた。俺も思わず写真を撮ったりしてしまった。

飛行機の出発は夜中なので、ホーチミンでは半日ほど時間がある。最初のホーチミン観光の時に閉鎖されていた統一会堂に行ってみると、門が開いていて観光客がたくさんいた。

せっかくなので俺もツアーで来ているたくさんの観光客と一緒に観光する事にした。

旅の荷物が詰まった重たいバックパックを背負って観光するのは疲れるので、入り口の警備員にバックパックを預かってもらい、身軽になって統一会堂の観光をする。統一会堂内は世界中から観光客が来ているようでとても混んでいた。受付でチケットを購入して中に入っていった。

普段は一般開放されている統一会堂だが、現在も海外からの来賓が来た時には来賓の歓迎に使用しているという。

先日は海外から来賓が来ていたらしく、一般開放は中止されていたので観光できなかったようだ。統一会堂の内部は思っていたよりも大きく見ごたえがある。統一会堂は観光客で混んでいて、いたるところでツアーガイドが建物内の説明をしている。建物の真ん中の窓から真っ直ぐの道が見える。ベトナム戦争の時には解放軍がこの道を通って統一会堂を開放して戦争終結となったらしい。歴史を感じてしまう建物だ。

統一会堂は地下もある。戦時中は地下に作戦本部を移して戦っていたらしい。

地下は地上のきらびやかな感じとはガラッと変わって殺風景だ。戦争当時の様子を現代に伝えていた。

統一会堂は地上から地下まで見る事が出来て、十分に満足する事ができた。観光しているうちに、あっという間に夕方になっていた。統一会堂は今回のベトナムツアーで最大級の観光名所だったかもしれない。

入り口の警備員からバックパックを受け取って、少し街を歩き回った。ベトナムの通貨が少しあまってしまったので15ドルほど再両替をした。初日に両替した100ドルを6日間では使い切れなかったのだ。そのあとに街中をふらふら歩いていたが、空港行きのバスは6時に終ってしまうと聞いていたので、ちょっと早めに空港に行ってしまう事にした。

空港行きのバスはホーチミンの中心のベンダインバスターミナルから出ているので、のんびりと街中を歩きながらベンダインバスターミナルに向った。

ベトナムはとても面白かったが、最後に空港行きのバスでボッタクリにあってしまった。バスの車掌に正規運賃の3000ドンを支払おうとしたが6000ドンを要求されたのだ。車掌は俺のバックパックにも料金が必要なので荷物代も含めて全部で6000ドンを払えと言う。俺はバスの料金は3000ドンで荷物の料金など存在しないのを知っていたので、それを話すが車掌は6000ドンと言ったら6000ドンで引き下がらない。俺も絶対に3000ドン以上を払う気はない。車掌とやり取りしているうちに車掌が俺にバスを降りろというのでバスを降りた。運転手は申し訳なさそうな顔をしていたが、俺は小額でも車掌にお金を支払う気にはならなかった。本当にムカつく車掌だ。

20分後に来たバスの車掌は俺が3000ドンを差し出すと、普通に3000ドンを受け取って、文句も何も言わなかった。

やっぱり最初にやってきたバスの車掌はボッタクリだったようだ。荷物代など存在しなかったのだ。ベトナムの最後にこんな風にボッタクリに出会うとは思わなかったが、ボッタクリの車掌にも勝ったし、楽しい思い出になった。

空港行きのバスの隣にはインドネシア人の青年が乗っていて、バスの1番前で写真を撮っていた。なんとなく、俺も写真を撮りたくなって、バスの中から写真を撮った。どこの国の青年も旅の楽しみ方に大差はないのかもしれない。

しばらくするとバスは空港に到着した。インドネシア人の青年と最後に記念撮影をして別れた。俺の飛行機は深夜に出発なので空港で待ち時間が4時間ぐらいあるのだ。

日記など整理できてない物があるので、その整理などをしているうちに時間は過ぎてしまうだろう。

空港の椅子に座ってくつろいでいると、隣に座っていた女の子に日本語で話しかけられた。どうやら彼女はヨーロッパからトランジットでホーチミンに寄ったらしいのだ。俺と同じぐらいの深夜の飛行機で関空まで行くと言う。お互いに4時間以上は暇な時間を持て余しているので、出発時刻まで話をする事にした。お互いに旅が好きだったようで、旅話で盛り上がっているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまった。思わぬところで素敵な出会いをしてしまった。お互いに飛行機の時間が来たので連絡先を交換して別れた。

ベトナムの出国手続きをして、飛行機に乗れば帰国だ。

出国手続きの係官の列に並んでいたが俺の並んでいる列の進み方がとても遅い。イラついて別の列に並ぶと新しく並びなおした列の進み方が遅くなった。自分が並んでいる列の進み方が遅いのは偶然や思い込みだと判っているが、罰ゲームみたいでイラついてしまう。

それにしても、あっという間の短いベトナム旅行だった。名残惜しいが楽しかった。

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