アレキサンドリア観光

3月30日

アモーレ隊アレキサンドリア宿泊チームは朝の9時からアレキサンドリア1日観光をする予定だったが、すっかり遅れてしまい11時から1日観光が始まってしまった。すっかり予定の狂ってしまった我々4人は気を取り直し、近くのサンドイッチ屋でおそい朝めしを食べてアレキサンドリア図書館を目指して海岸線を歩いた。アレキサンドリア図書館は最近オープンしたばかりの近代的な建物で図書館のほかにもプラネタリウムや博物館が併設されている。巨大な建物でアレキサンドリア観光のハイライトの1つになっている。たくさんの観光バスが並んでいて、チケット売り場からとても混んでいた。俺は久々の観光地に戸惑いとわくわく感が入り混じっている。

長い行列に並んだ末に図書館の中に入ることが出来た。図書館の内部はクーラーが効いていてかなり快適だ。この図書館には博物館が併設されているというので4人で博物館も見学する。博物館は図書館とは別料金になっていて、図書館の入場料とは別に入場券を買わなくてはならない。観光とは金のかかるものだと改めて思いつつも博物館の入場券を買って博物館も見学する。ガイドブックには考古学博物館と書いてあったが展示してあるのは中世の本ばかりである。本の年代を見ると1400年代だったり1600年代だったりかなり古い本が展示してあったが、もうちょっと色々な物が展示してあると期待していたので物足りない博物館だった。

このアレキサンドリア図書館で一番素晴らしかったのはトイレだ。平均的なエジプトのトイレは日本の感覚からすると綺麗とは言いがたいトイレばかりなのだ。日本人とエジプト人のトイレ求めるものが違うので、それがトイレの美的感覚に相違をもたらしてしまう。しかし、アレキサンドリア図書館はエジプト政府が世界に誇る観光施設なので、トイレの美的感覚もエジプト人に合わせるのではなく欧米人や日本人観光客の持つ美的感覚にあわせている。しかも、アレキサンドリア図書館は新しい最新技術を駆使した建物なので、トイレも当然のごとく最新技術とセンスを駆使して建設されている。俺はソウルの空港以来の素晴らしいトイレを使用する事ができて大満足だった。

アレキサンドリア図書館のトイレに大満足をした4人は次にグレゴローマン博物館に向う事にした。図書館から歩いて10分ぐらいのところにグレゴローマン博物館はある。しかし、地図を見ながら歩いているうちに迷ってしまった。時刻は1時を過ぎているので日差しは強い。人に道を聞きながら炎天下の中を20分ぐらい歩いて、ようやく博物館に到着した。しかし、グレゴローマン博物館の入り口には警備員がいて「今はやってない」と我々に言い放った。1時を過ぎても昼休みを取ることは、十分に考えられるので何時ごろから開くのかを聞いてみたら「今日は休みだ」と言う。どうやら今日は休館日だったようだ。それなら仕方がないので、明日もう1度来る事を伝えると「明日も休みだ」と言う。こっちは炎天下の中を迷ってようやくグレゴローマン博物館をみつけたのだ。要領の得ない警備員の答えにイライラしてきた。逆に警備員に何時ならやっているのかを質問してみた。すると警備員は「判らないが半年後か1年後にはオープンする」と言う。どうやら今は改装中らしい。これで、ようやく状況が理解できた。最初から改装中だと説明すればこちらもすぐに納得するのにエジプト人とのやり取りはいつもこんな感じになってしまう。国民性の違いなのだろう。

改装中のグレゴローマン博物館は諦めてローマ円形劇場に行く事にした。ここは入場することが出来たが、ここも奥の方では何か工事をしているみたいだった。ローマ円形劇場は野外なのでとても広い。そして、アレキサンドリア図書館とは違って観光客がほとんどいない人気のない観光施設のようである。歩き疲れたアジア系観光客4人は円形劇場の椅子に座ってマッタリと風景を眺めた。エジプト人の若者達の男女が劇場の真ん中で元気に遊びまわっているが、我々4人のアジア系観光客は座ったまま30分ぐらい動く気配がない。その場で写真を撮ってローマ円形劇場の観光を終わらせようとしているのだ。他の観光客がいなかったので疲れた我々はローマ円形劇場で誰に気を使うことなくのんびりと出来た。

ローマ円形劇場である程度体力を回復した4人はかなり遅い昼飯を食べる事にした。昼飯のメニューは4人の総意で昨日のうちから海産物と決まっていた。海産物のために港町のアレキサンドリアに1泊したと言っても過言ではない4人なのだ。ガイドブックで人気の海産物レストランを決めてある。昼飯時間をかなり過ぎていたが、それでも混んでいる人気の海産物レストランだった。タイミングよく食事が終わったグループがいたので、すぐにその席を陣取った。メニューは無いので厨房に入って調理して欲しい魚を自分達で指し示して決める。エビちゃん、イカちゃん、お魚さんのフライにかじりつく。1時間ほどで4人とも腹いっぱいになり大満足だ。

夕方までアレキサンドリアの町を十分満喫した4人はカイロに戻る2人とアレキサンドリアにもう1泊する2人に分裂する。アレキサンドリアからカイロまでは3時間ほどで着いてしまう距離なので、俺ともう1人は今日の夕方にカイロに向う事にしたのだ。カイロ行きの乗り合いワゴン乗り場まではアレキサンドリア市内を走っているトラムに乗っていく。2階建てトラムの車内から見るアレキサンドリアの町並みは美しい。アレキサンドリアに2泊する2人も我々を見送りにワゴン乗り場まで来てくれた。カイロ行きの乗り合いワゴンは15人ほどの客が集まり、満員になり次第出発する。

ワゴン車がアレキサンドリアの市街地を抜けた頃に夕日が沈んで暗くなってきた。かなりのスピードでワゴンはカイロを目指して突き進む。窮屈なワゴンの中で3時間ほど我慢しているとカイロの市街地の明かりが見えてきた。このワゴンはカイロの駅まで行くが、途中で我々が泊まる宿の近くを通ったのでそこで降ろしてもらうことにした。

宿に戻ってくると丸川(仮名)隊長をはじめとした先にカイロに戻ったアモーレ隊と再会した。彼らは今頃ルクソールに行っているはずであったがバックパッカーの予定とはそんなものだ。みんなで再会を喜び合った。そして、ダハブで一緒だった品川(仮名)さんもいた。品川さんたちも皆既日食を見ることが出来たそうで、皆既日食の感激を分ち合う事が出来た。

あとから判った事だが、アレキサンドリア図書館で我々が見学した博物館は「本の博物館」だったみたいで、ガイドブックに載っていた「考古学博物館」は我々には見つけることが出来なかったようである。残念だ。

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