久々の海の世界

3月24日

品川(仮名)さんと8時半に待ち合わせをして機材を用意する。昨日のダイビングは小手調べみたいなものだったので、本格的なダイビングは今日から始まる。今日は天気も良く波も穏やかなので絶好のダイビング日和だ。機材のセッティングを終わらせて、ダイビングショップの車に乗って5分ほどでダイビングポイントに到着。今回のダイビングのポイントは海の砂漠のニョロニョロ達。潜る前に品川さんから簡単にレクチャーを受けて機材を身に付けて海の中に行く。今日も魚がたくさんいて大感激だ。サンゴ礁を抜けると砂漠が現れた。砂漠からはチンアナゴの大群が顔を出してニョロニョロのようになっている。我々が近づくと砂の中に隠れてしまうが、我々が遠ざかると再び砂から顔を出す。不思議な光景だ。品川さんが俺の潜りたい様にアレンジしてくれるので1時間近く潜っていた。

昼はダイビングショップに戻ってきて、シャワーを浴びたり昼飯を食べたりして午後のダイビングは改めて出発する。ダイビングポイントが近いので、そういう贅沢なダイビングが出来るのだ。昼飯は品川さんの行きつけのレストランに連れて行ってもらい、そこでスパゲティーを食べた。エジプト人の作るスパゲティーはのびのびで美味しくない。

午後からは水中のジャングルを潜る。最初はジャングルを迂回するように外海を探検して、途中から内海に入りジャングルの中を戻ってくる。ジャングルの正体はサンゴ礁で出来ている。さんご礁の中は大きな魚が入ってこないので小さな魚にとっては安全な場所だ。なので、小さな珍しい魚をたくさん見ることが出来た。南の海の魚は綺麗な魚が多い。幻想的な世界だ。

早い時間からダイビングを始めたので3時過ぎにはウエットスーツや機材を洗い終え、シャワーも浴びてサッパリする事が出来た。ダイビングの後にのんびりとできる時間があるのは嬉しい。品川さんの行きつけのカフェでチャイを飲みながらのんびりする。品川さんの教え子のヒロ(仮名)君も一緒に3にんでチャイを飲みながら午後をくつろぐ。旅のことを話しながらのんびりと時間が流れていく。そんな時間を堪能していると、ヒロ君が何処からかポイを持ってきて廻し始めた。俺も今までにも何度かポイを試してみた事はあるが才能がまったくないみたいで一度も上手く廻せた事がない。ヒロ君は今回の旅でポイを始めたらしいがそれなりに廻す事ができている。俺もポイを貸してもらい廻してみた。すると、何のきっかけがあったのか判らないがポイを廻す事ができるようになった。突然だったが、コツを掴んでしまったようだ。こんなところでポイが出来るようになるとは思わなかったが楽しい遊びをまた1つ身に付ける事ができた。日本に戻ってから本格的に練習してみようと思う。

3月25日

今日も品川(仮名)さんと一緒にダイビングに行く。昨日は風もないダイビング日和だったが今日は少し風が強い。それでも、ダイビングが中止になるほどではないので安心した。今日も8時半にダイビングショップを出発する。今日のダイビングポイントは少し離れているので20分ほど車で走る。ダイビングポイントに到着し、すぐに機材を車から降ろす。風が強いのでバスタオルや服が飛ばないように気をつけながらダイビングの準備をする。

最初のダイビングは水中の谷に潜る。深い地面の割れ目の中に入っていく。幅が1メートルほどしかない細い部分もあり洞窟のようになっている。天井を見上げると地面の割れ目から太陽の光線が入ってきて幻想的な風景だ。そこを浮遊しているような感覚はダイビングでしか味わえない。朝早い時間に潜っているので他のダイバーがいないのも幻想的な風景の演出に役立っている。そんなところまで配慮しながらダイビング計画を立ててくれるインストラクター品川さんにお世話になることが出来てよかった。

水中の地面の裂け目を堪能し終わり、エントリーポイントに戻る時に他のダイバー達とすれ違った。ここはエントリーポイントの近くでも珍しい魚やエビを見ることが出来た。そこで少し時間を取ってもらうい観察する。そうしている間にも何組かのダイビングチームが地面の割れ目に向けて泳いで行くのとすれ違った。

午後からのダイビングポイントはここから車で5分ぐらいの場所にある。機材を車に載せて出発する。ダイビングポイントの目の前にはレストランがある。このレストランで昼飯を食べ、十分に休憩時間を取ってから午後のダイビングを始める。午後のダイビングは水中の崖を横に見ながら泳いで行き、最後にブルーホールの中に入る。崖は下が見えないほど深い。水深20メートルぐらいのところを崖に沿って泳いでいく。崖には珊瑚や小さな魚がたくさん群れている。崖を横目に泳いでいくとブルーホールの入り口が見えた。ブルーホールの中には何もない空間が広がっている。何もない空間には俺と品川さんだけしかいない。視界には目標になる物がないので浮遊している感覚を強烈に感じる事ができた。

これで、今回のダイビングは全て終了した。久々の海の世界は気持ちよかった。品川さんの上手な説明や指導のおかげで怪我や事故もなく、とても楽しいダイビングをする事が出来た。全てのダイビングを終えて宿に戻ってきたら結構疲れていた。2日間もダイビング三昧だったので疲れが出てきたのだろう。

夕食はもう1人の日本人インストラクターのジン(仮名)さんと一緒に泊まっていたデンデン(仮名)さんの3人でチキンを食べに行く。久々に食べる中東のチキンは美味しい。みんな、元々はバックパッカーなので旅の話をすると盛り上がる。デンデンさんは今夜の夜行バスでカイロに行くので、そのバスに間に合うように宿に戻った。デンデンさんの他にもたくさんの宿泊客が偶然にも今日のカイロ行きの夜行バスに乗るというのでその人たちを見送る。俺も明日のバスでカイロに行く予定なので、カイロで再会する事になるだろうがバックパッカーの予定ほど頼りにならないものはないのだ。

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