ぶんぶんブラジル

リオのカーニバルが無事に終了した。とても綺麗で、素晴らしかった。サユリ(仮名)ちゃんに誘ってもらえて本当に良かったと思う。しかも、今年は2000年の区切りの年のカーニバルなのだ。いつもより盛大だったような気がする。たっぷりとカーニバルを楽しむことが出来た。

カーニバルの後は世界三大瀑布の1つであるイグアスの滝を見に行こうと思っていた。一緒にカーニバルを見たカナ(仮名)ちゃんもこの後イグアスの滝を見に行くといっていたので、一緒に行くことにした。

早速出発しようということでカーニバルが終わった次の日にイグアスの滝に向けて出発。サユリ(仮名)ちゃんとはリオでお別れして、バスに乗ってイグアスの滝を目指す。リオデジャネイロのバスターミナルはとても広くて近代的になっていたので驚いてしまった。まるで空港のようなバスターミナルである。バスも近代的な高級バスで、座席が指定席になっているのだ。トイレまでついていて今までの旅では考えられない最新式の高級バスに乗る事になった。

夕方にリオデジャネイロを出発する。そして、イグアスの滝に到着したのは次の日の夕方だった。運が悪かったのか整備か行き届いてなかったのかは良くわからんが、このバスは途中で2回もパンクしてしまったのだ。見た目は最新式なのに困ったバスである。

次の日の朝からイグアスの滝を見に行く。カナ(仮名)ちゃんが色々と調べてくれていたので、彼女のあとにくっついてバスに乗り、滝まで連れてってもらう。滝が近づくにつれて水の音が聞こえてきた。我々の他にも観光客がたくさんいて賑わっている。散策路も綺麗に整備されている。滝は何段にも連なっていて、細かい所まで散策路が延びているのだ。とても大きな滝だった。俺の個人的な意見としてはアフリカのビクトリアの滝の方が感激が大きかった。

イグアスの滝の遊歩道にはアナグマが生息していて、観光客から餌を奪いながら生息している。可愛い仕草で観光客の興味を引く。しかし、観光客がちょっと油断するとバックの中に顔を突っ込んで食べ物を奪おうとするのだ。なかなかしたたかに生活しているアナグマ達である。

イグアスの滝はブラジルとアルゼンチンとパラグアイの3国の国境に面にしているのである。ブラジルとパラグアイの国境にはイタイプダムと云う大きなダムが在る。ただただ発電のためだけに作られたダムらしいのだ。パラグアイとブラジルの電力の供給に大幅に貢献しているのだという。電気を売って儲けているのでイタイプダムはお金持ちである。そんな訳で、イタイプダムの見学は全てタダなのだ。スライド映画を見せてくれたうえにバスに乗せてもらいダムを見学させていただいた。まさに至れり尽せりで怖いぐらいであった。入場料を取られても良いぐらいの見応えがある大きな大きなダムだった。

イグアスの滝とイタイプダムの後はアマゾン川を目指す。夜行バスでアマゾン川に向けて出発。ブラジルのバスは綺麗で高級なバスばかリである。アマゾン川に行く途中でジャングルツアーに参加する為にクイアバという町まで行く。ちなみに、イグアスからクイアバまでは24時間以上バスの中である。

夜になってようやくクイアバのバスターミナルに到着。バスターミナルにはジャングルツアーの客引のおじさんがいた。俺とカナ(仮名)ちゃんはこのおじさんと値段交渉を開始する。すると、このおじさんは「かわぐちヒロシ」を知っていたのだ。体長3メートル以上の巨大なゴリラや2つ首の大蛇や未開の原住民を捜し求めて世界中を探検していた水曜スペシャルの川口浩探検隊の隊長の事である。こんな所で「かわぐちヒロシ」の話を聞くとは思わなかった。彼が子供の時に川口浩探検隊のテレビクルーがやって来て、2台のバスをチャーターしてジャングルの奥地に向かって行ったのだそうだ。彼のお父さんはその時のテレビ撮影のお手伝いをしたらしいのだ。子供だった彼も「かわぐちヒロシ」に会ったことがあるのだそうだ。俺もカナちゃんもこんな所で「かわぐちヒロシ」の名前を聞くとは思わなかった。懐かしくもあり、面白くもある。

結局、「かわぐちヒロシ」の話をしてくれた彼のところでアマゾンツアーに行くことにした。2泊3日のジャングルツアーである。クイアバの町からワゴン車で移動してお昼頃にジャングルに到着。今回のジャングルツアーのメンバーはイスラエル人の男の子が3人、オランダ人カップルが1組、それと俺とカナちゃんの多国籍チームである。

ジャングルの宿に着いてすぐに近くの野生の鳥とサルを見に行った。木の上にサルがいたのが見えた。その後、みんなで馬に乗ってトレッキングに行く。俺は乗馬初体験である。ドキドキである。馬の乗り方から始まって、手綱の持ち方、歩き方、止め方、曲がり等の基本的な事を教えてもらい、いざ出発。我々7人はガイドのサントスに引き連れられてトレッキングに出発した。馬に乗って原野を見て周るのだ。気持ちが良かった。サントスは湿地の中に入っていった。馬は水の中もガンガン進んで行く。かなり深い所も進んで行く。水は馬の腹の下くらいまで来ていた。当然、我々の足はひざぐらいまでビチョビチョに濡れてしまった。しかし、馬でしか行けないような場所にも行くことが出来て満足である。夕日も綺麗に見る事が出来た。お日様が沈んであたりが暗くなるころに宿に戻ってきた。大満足な乗馬トレッキングになった。夜、夕食の後にみんなでトランプをして交流を深める。楽しく夜が更けていった。

2日目も朝から馬に乗ってジャングルの中を見て周る。ワニを見る事が出来た。巨大なアリ塚も見る事が出来た。今日もひざ下はずぶ濡れになっりながら馬に乗って湿地を歩きまわった。気が付くと午前中はずっと馬の背中の上で過ごしていた。お昼前に宿に戻ってきて昼飯を食べる。朝から馬に乗っていたので、思った以上に疲れていた。昼飯の後は部屋に戻ってシャワーを浴びて少し休憩を取った。

休憩の後、車に乗って今日の宿泊場所まで移動する。今日の宿は別の場所らしいのだ。夕方には今晩泊る宿に到着した。そしてすぐにカヌーに乗る為に近くの川に行く。川はほとんど流れが無くて池みたいだった。カヌーの上からは綺麗に夕日を見る事が出来た。我々が宿に戻ろうとする頃に雨が降ってきた。物凄い勢いの雨である。しかも、あたりが暗くなってきたのだ。ずぶ濡れになって暗い泥道を宿まで戻って行った。すぐにシャワーを浴びて夕食を食べる。

朝が来た。早いもので、あっという間に今日が最終日である。午前中は昨日のカヌーに乗って釣りをする。ここで釣れる魚は、なんとピラニアである。餌は肉。3時間ほどみんなで釣りに興じる。ピラニアはなかなか釣れなくて、時間だけがどんどん過ぎて行く。それでも、全員で協力してピラニアを何匹か釣り上げることが出来た。昼食は今我々が釣ったばかりのピラニアである。宿の人がピラニアを揚げてくれたのだ。恐る恐る食べてみると、ちょっと生臭かったけど普通の魚だった。

楽しいジャングルツアーを終えた我々はクイアバの町に戻ってきた。そして、その日の夜行バスに乗って、アマゾン川の支流の港町ポルトベリョに向かった。この移動も当然のように高級バスに乗って24時間以上かかっての移動である。思うに、ブラジルは広大な国である。

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