屋久島歩き

4月28日。屋久島4日目。今日から、屋久島の南の方を見て歩くことにして、テントをたたんで出発。交通手段がないので、歩いて島を周ることにした。4月とはいえ、さすがに南の島。とても暑い。日差しが強くて肌がいたくなってくるので、途中で日焼け止めを買う。途中で歩きつかれて、ヒッチハイクをした。停まってくれた車の人も観光客だったようで、千尋の滝を見に行くというので、乗っけてもらう事にした。千尋の滝はなかなかいい眺めだった。そこで降ろしてもらって、またしばらく歩く。今日は平内海中温泉まで行く事にた。でも、ちょっと遠かったので、あと、2回ヒッチする。ヒッチはけっこう簡単で、みんなすぐに停まってくれる。午後には平内海中温泉に到着。

バンガロウという宿の敷地にテントを張らしてもらう事にした。バンガロウの夕食に呼ばれて、ご一緒させてもらう。ご主人が友達と酒を飲んでいて、俺も一緒になって飲む。でも、俺はお酒が弱いのですぐに、ヘロヘロ。そのうちにご主人の友達の一人が明日、車で屋久島観光をしてくれるという。ありがたく、連れて行ってもらう事にする。そのあと、海中温泉に入りにいく。温泉は海岸にあって名前の通りに潮が満ちてくると本当に海の中に沈んでしまう温泉だ。引き潮を狙って、入りにいく。脱衣所も何もない混浴の温泉だ。地元の人も入りに来ているみたいで、今日は5、6人の人が温泉に浸かっていた。

4月29日。屋久島5日目。今日はご主人の友達に島を案内してもらえる。ユーゴの滝に連れて行ってもらった。そのあと、シドッチ海岸に連れていってもらう。シドッチ海岸とは戦国時代にシドッチという宣教師がたどり着いた所で、その宣教師の名前を取ってシドッチ海岸となったらしい。釣りをするにはいいポイントなんだと。

最後に、近くの港に連れていってもらった、そこにバンガロウの主人がた。船に乗っていて、これから「カメの手」というものを取りに行くから、一緒においで。と、言うことらしい。面白そうだから行ってみる事にした。船で、小さな島に渡って、岩についている、貝のような「カメの手」なるものを取る。ひたすら取る。たまーにウニがいて主人が取ってっくれて食べさせてくれた。お昼ぐらいから「カメの手」取りをはじめて、夕方に戻ってきた。今日の夕食は海の幸バーベキューらしい。今日もご一緒させてもらう事になる。夜は他にもご主人の友達が来てバーベキュー。明日はご主人の別の友達の生コン車に乗せてもらい、大川林道のハイキングに行く事になった。バンガロウのご主人は本当にお酒が強い。

酒盛りのあとに、今日も昨日のように温泉に行く。昨日よりも引き潮の時間が遅くなっているために、昨日よりも遅い時間じゃないと入れなくなってた。今日は昨日よりもたくさんの人が入りに来ていた。地元の女の子も入りに来ていて、ちょっとドキドキ。

4月30日。屋久島6日目。今日は生コン車に乗せてもらって大川林道に向う。生コン車で林道を上まで登って行く。一気に標高1000メートルまで上がった。さすがに標高1000メートルは寒かった。生コン車のオジさんはここで仕事があるというので、俺はここから歩いて海まで戻ることにする。ずっと下りだから、らくちんなハイキングという感じ。標高が高いから眺めが最高だ。途中でクチノエラブという島が見えた。降りるにしたがって、気温はどんどん暑くなっていく。とうとう、大川林道を全部下り終えて、生コン車のオジさんを待って、乗せてもらってバンガロウに戻った。夕食の後、また今日も平中海中温泉に行く。この温泉をとても気に入ってしまった。昨日よりも入れる時間は遅くなっていて、海の中から温泉が現れたのは、夜10時を過ぎた頃だった。今日は老若男女、とてもたくさんの人がはいりに来ていた。イモ洗い状態でとてもキツキツだった。ゴールデンウィークに入ったため、こんなに人がいっぱいになってしまったんだと。やっぱり、温泉はゆっくり入りたいものだ。

5月1日。屋久島7日目。今日はバンガロウを出発して屋久島の世界遺産に登録されている西部林道という所を歩く。この林道は島の外周を通っている林道だ。大川の滝を見て、そのあと、ひたすら、西部林道を歩く。一応ここは国道になってるらしいけど、自然がいっぱいで、ハイキングにはもってこいの林道だ。野生動物、屋久シカ、屋久ザルがいて、いいハイキングになった。しかし、屋久ザルは群れで行動していて、道路を屋久ザルの群れがふさいでる事がたびたびあった。このなかを通って行くのって、けっこう怖い。しかも人間を恐れない様で、逃げて行かないのだ。群れの中を通り抜けるのに、ちょっと躊躇したけど通らないわけにはいかないから、手をたたいたりしながら、群れの中を無事通り過ぎることができた。他にも何気なく歩いているうちに、屋久ザルに囲まれている事もあり、びびる。20対1ぐらいの数だったから、戦ったら絶対に負けてしまいそうだ。等とくだらない事を頭に浮かべながら、なんとか無事に通り過ぎる。たまーに車やバイクが通っていく。その他はほとんど一人の世界だった。初日のライダーハウスで一緒だった女の子がツーリングに来て、ちょろっとお話しして別れた。さすがにバイクはとても早かった。歩きだとゆっくり物を見る事ができる。それぞれのスピードで見れるものが変ってくるのだ。

西部林道をぬけていなか浜という所に出た。もう、夕方になっていて、どこかテントをはれる所を探さなくちゃならない。とりあえず、テントの前に温泉に入りたいから、温泉があるところまで、ヒッチする。今回のヒッチはなかなか止ってくれない。やっとヒッチして、温泉まで連れってってもらおうとすると、その温泉は冷泉らしい。暖かい温泉に入りたい俺は車に乗せてくれたオジさんのお勧めの温泉に行くことにする。そこはクスガワ温泉。はじめに泊まったライダーハウスまで数キロの所にある温泉。屋久島をほとんど一周してしまった。温泉はとても気持良かった。温泉からあがって、今日はどこにテントを張ろうかと、温泉の人に聞いたら、この温泉のすぐそこの浜辺だったら、テントをはれるよと、教えてくれた。海岸に出て、防波堤の上にテントを張って一人、のんびりと月を眺めていた。まん丸の綺麗なお月様で、心が和んだ。今日は35キロぐらい歩いたのでけっこう疲れていた。いよいよ明日、屋久島をフェリーで出発する事にした。

<<前のページ | ママチャリの旅に戻る | 次のページ>>