おまけのトルコ観光

朝、イスタンブールに到着した。我々が乗ってきたバスが到着したのはイスタンブールのアジアサイドのようである。これからヨーロッパサイドへ行く連絡船に乗って、ヨーロッパサイドに向かう。30分ほどでヨーロッパサイドに到着した。菅原(仮名)さんが前に泊った宿があるというので、菅原さんに案内されてその宿まで行く。

俺はようやく目的地のイスタンブールに到着することができたのだ。感激しながら朝のイスタンブールを歩いて、宿まで連れて行ってもらった。宿に行く途中でイスタンブールの象徴でもあるアヤソフィアとブルーモスクを見る事が出来た。感激しながらイスタンブールの町を歩いた。

イスタンブールの宿では2回目のサファリホテルで一緒だった、オトマル(仮名)君や東垣(仮名)さん、リュウジ(仮名)君とたちと再会した。カイロから飛行機でイスタンブールに来た人もいたので、最近のカイロの様子も教えてもらえた。みんなで1ヶ月ぶりの再会をよろこびあった。

次の日から俺は日本に帰る飛行機チケットを探しはじめた。飛行機のチケットは成田ではなく直接札幌に行くことが出来る便を見つけたのでそれに決定。しかし、飛行機の出発日までは1ヶ月以上の間がある。それまではのんびりとイスタンブールの観光をする事にした。

夕食はみんなで鍋をする事になった。昼過から買出し班や、下ごしらえ班に別れて鍋の制作に取りかかる。鍋は大成功でとても美味しかった。しかし、その日は鍋の為に動き回るだけで終わってしまった。そんな風に、のんびりとしたイスタンブールでの生活が始まった。この宿にはマージャンがあるので、それに興じてしまったり、オトマル君たちと夕食の買出しに行ったり、のんびりと宿で雑談やトランプゲームをして遊んでいるうちに、1日はあっという間に終ってしまうのだ。

死海やダマスカスで一緒だったテルオ(仮名)君が俺の泊っている宿に遊びに来てくれた。彼もイスタンブールにいるのだが、俺とは違う宿に泊っている。今日は彼が遊びに来てくれたのだ。彼と一緒の宿に泊っている、美津子(仮名)ちゃんも一緒に遊びに来てくれた。

美津子ちゃんは俺が1999年の年末に始めてカイロに行った時に出会った女の子である。カイロのあと彼女は一度日本に戻って、今度はアジアからインドなどを通って、陸路だけでイスタンブールにやって来たのだった。俺と彼女は約1年ぶりの再会である。陸路を旅してきた彼女はカイロで会った時よりも、とてもたくましくなっていた。

イスタンブールにはたくさんの観光名所があるのだが、俺には1ヶ月の時間があるので観光は後回しになってしまった。なにも観光しないで、ダラダラとしているうちに2週間が過ぎてしまっていたのだ。

これではいけないと思い観光を始める。イスタンブールの代表的なモスクであるアヤソフィアを見学に行く。とても大きくて、感激だった。もう1つ有名なモスクでブルーモスクもとても大きくて素晴らしかった。

別の日にはトプカプ宮殿と云う宮殿を見に行く。トプカプ宮殿は東ローマ帝国の皇帝の宮殿だったのだ。それをオスマントルコ帝国のメフメト2世が奪い取って、キリスト教風のお城からイスラム教風のお城に変えてしまったお城である。かつての世界の中心だったお城なので、とてもたくさんの装飾品や宝石や着物などがあり、見応えがあった。

その他にも城壁や水道橋やバザールや巨大な地下宮殿など、たくさんの場所を観光した。当然、イスタンブールのバザールも巨大でたくさんの物を売っていて、面白かった。

イスタンブールの市内観光はだいたい終ってしまった。飛行機の出発日まで宿でのんびりと過すのも、もったいなかったのでアンタルヤという街に行くことにした。アンタルヤは地中海沿いの温暖な街なのだそうだ。菅原(仮名)さんをむりやり誘ってアンタルヤに行く。

アンタルヤには夜行バスで向かう。朝早くにアンタルヤに到着した。菅原さんはアンタルヤに来たのも2回目なので、菅原さんが前回来た時に泊った宿に向かう。宿の主人は日本語ペラペラのエルン(仮名)さんである。その日の午後はエルンさんのツアーでアンタルヤ観光に行くことにした。ローマ時代の遺跡やコロッセオがあって、面白かった。近くに滝があるというので、そこにも連れて行ってくれた。大きな滝で感激した。

2回目のカイロで一緒だったカーチ(仮名)とキーチ(仮名)がアンタルヤに来てるはずである。我々がアンタルヤツアーから帰ってきたら2人と再会できた。俺と彼女達は約2ヶ月ぶりの再会である。カーチとキーチはカイロに居る時に菅原(仮名)さんとも会っていたらしい。そんな訳で話しが盛り上がり、今夜は日本人7人で一緒に夕食を食べに行くことにした。カイロの話しやイスタンブールの話しが出て、とても楽しい夕食になった。

みんなで映画に行ったり一緒に夕食を作って食べたりして、のんびりしているうちに1週間が過ぎてしまう。キーチとカーチは1ヶ月ほどアンタルヤでキリムを習うというので、近くの下宿に引っ越していった。俺は彼女達の下宿にもちょくちょく遊びに行った。

そんなだらけた生活ではダメだと思い、エルン(仮名)さんの海中遺跡ツアーに行くことにした。船に乗って海中遺跡を見に行くのだ。しかし、海底遺跡を見る前に釣りをする。入れ食いでタイを釣る事が出来て、なかなか面白い。だが、もともと釣りが好きで無い俺はすぐに飽きてしまった。早く海中遺跡を見に行きたかったが、我々が釣った魚が昼飯になるのでがんばって釣る。とりあえず、釣りの成果は大漁だったので盛大な昼飯を食べる事が出来た。

昼飯のあとに、待ちに待った海中遺跡の見学である。この海中遺跡は地震によって、海中に沈んでしまった遺跡なのだそうだ。遺跡の一部は水面から上に出ているが、ほとんどが海の下に沈んでいる。浅い場所に沈んでいるので、船の上からでもはっきりと遺跡を見る事が出来て、俺は大満足である。

アンタルヤの最終日はラフティングと云うものに行く事になった。ラフティングとは大きなゴムボートにのって、川を漕ぎ下るというものである。

みんなウエットスーツに着替えてパドルというシャモジのお化けみたいな物を渡されて、ゴムボートに乗りこみ出発する。ガイドの指示で前に漕いだり後ろに漕いだりしながら、川を下って行くのだ。川の水はとても冷たい。所々に激流がありゴムボートの前に乗ってる人は思いっきり水をかぶってベしょベしょになっている。かなり寒かったが、ラフティングと云う物はなかなか面白かった。

アンタルヤの後はまっすぐイスタンブールに戻らずに所々に有る遺跡を見ながら帰ろうと思う。菅原(仮名)さんはまっすぐイスタンブールに戻るというので、いったんここでお別れである。

海底遺跡やラフティングで一緒だった、小雪(仮名)ちゃんと旅をする事になった。最初に行く所はパムッカレという所である。バスを乗り継いでパムッカレに到着した頃には辺りは暗くなっていたので、すぐにホテルにチェックインした。

夕食の前に石灰棚の綺麗な崖を小雪ちゃんと一緒に見に行った。ライトアップされていて、綺麗だった。崖一面が石灰岩に覆われていて、雄大な景色である。パムッカレの崖から帰って来て、夕食を食べた後に無料のベリーダンスをやるというので見に行った。踊り子さんが1人で踊っているだけであまり凄くなかったが、無料なのでこんなものだろう。

 次の日、パムッカレの石灰棚の崖の上に広がるヒエラポリスの遺跡を見学に行った。昨日と同じように石灰岩の崖を歩いて登っていった。パムッカレの崖の上まで登ると、立ち入り禁止の看板が立っていた。どうやら俺と小雪(仮名)ちゃんは立ち入り禁止の場所から登ってきたみたいである。悪い事をしたがしょうがない。

ヒエラポリスの遺跡はとても広くて、見応えがあった。コロッセオを見たり、大きな神殿や城門の跡があって感激した。ここには温泉もあるので、お昼頃から2人で温泉に入った。プールみたいになっていてとても気持ち良かった。最後に、博物館も見学して帰ってきた。とても満足の行く1日だった。

次の目的地はエフェスの遺跡である。エフェスの近くにセルチュクという町があるので、今日はそこに行く。お昼頃にセルチュクの町に到着した。ホテルを決めてすぐに博物館に行く。とても興味深い博物館だった。夕食は小雪(仮名)ちゃんと一緒に羊の脳みそを食べにいった。淡白な味がして、あまり美味しくなかった。

次の日はいよいよエフェスの遺跡に行く。バスで10分ほどの所に遺跡がある。朝早くに遺跡に行った。エフェスの遺跡はとても大きくて見応えがあった。コロッセオや図書館の遺跡があり、感激である。近くには聖母マリアの家などもあり、とても楽しむ事が出来た。

次の日はチャナッカレという街に行く。この街からトロイの木馬で有名なトロイの遺跡に行くのだ。トロイの木馬のウワサはいろいろ聞いていたのだが、良いウワサは聞いていない。木馬は小さいし、遺跡は何が何だか良く判らない。と、言うようなウワサばかり聞いていたのである。しかし、天下に名高いトロイの木馬である。どんなにがっかりしようと、見に行きたいのだ。

チャナッカレからローカルバスに乗ってトロイの遺跡に向かうが、途中で雨が降ってきた。トロイの遺跡に到着しても、雨が上がる気配は無く降り続いている。観光客も俺と小雪(仮名)ちゃん以外はいない。チケット売り場で傘を借りて見学することにした。正面入り口に木馬が立っている。「小さな木馬だ」と、聞いていたので最初から期待していなかった木馬だが、それほど小さい物ではなかった。

遺跡の中に入っていくと、雨が激しくなってきた。チケット売り場で傘を借りていたが、俺も小雪ちゃんも濡れてしまった。遺跡自体は発掘現場をそのまま公開しているみたいだ。小雪ちゃんはチョット物足りないようだったが、俺は満足だった。

遺跡を見終わって町に帰る頃になると雨があがった。何ともイジワルな天気である。チャナッカレの町に戻ってから2人で昼飯を食べた。実は小雪ちゃんとはここでお別れなのだ。彼女はチャナッカレで一泊するが、俺は今日の夕方のバスでイスタンブールに戻るのだ。小雪ちゃんとは短い旅だったが楽しい旅だった。

その日の夜に俺はイスタンブールに戻ってきた。前に泊った宿に戻ると、菅原(仮名)さん達がいて再会できた。今日の夕食は鍋だったようで、俺も誘ってくれた。とても美味しかった。いよいよ明日、俺は日本に向けて旅立つのだ。

この旅最後の日はイスタンブールをのんびりとお散歩した。お散歩から戻ってくると南米エクアドルで一緒に温泉に行ったフミオ(仮名)君が来てくれていた。彼とはメールでやり取りをやっていたのだが、偶然にもお互いにイスタンブールにやって来たのだ。感激である。今までの旅の事や色々な事を話した。

俺は深夜に空港に向けて出発する。長かった俺のシルクロードの旅は無事にイスタンブールで終わりを迎える事が出来た。あわただしい出発になってしまったが菅原さん達がみんなで俺を送り出してくれた。

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