最初の国、中国

小さな荷物でどこまで行けるか判らない旅。

シルクロードを東から西へ、いろいろ観光しながら行ける所まで行ってみましょう。 それでは、スタート!

1999年8月19日。今回の旅の出発地点である西安に到着した。この旅の目的はシルクロードの旅なので西安の街と、秦の始皇帝陵、敦煌は絶対に見にいこうと決めていた。それ以外は現地で何か有名なものがあったりするだろうから、現地で見たいものが見つかるでしょう。まず、西安から秦の始皇帝陵等の1日観光に参加。始皇帝陵や兵馬傭とか、いろいろ観光してくる。兵馬傭はとてもでっかくて感激した。博物館もあって、そこから出土した遺跡を展示してあった。他にもたくさんの観光地に行った。けっこう見ごたえがあって、楽しく1日観光をした。

西安の町の中で個人旅行中の千葉大の学生3人組と知り合う。彼らと一緒に三蔵法師がガンダーラから持って帰ってきたお経を納めたお寺を見学する。このお寺はけっこう有名な観光スポットらしくて、たくさんの観光客が来ていて、俺や千葉大生3人組も感心しながら観光した。彼らは中国を西に向って旅をしていって、パキスタンに行くらしい。俺もこれから西に行くので、この先どこかで会うかもしれない。と、思いつつ、1日一緒に色々な所を見に行った。彼らはガイドブックを持っていて、いろいろと情報を持っていた。彼らから、情報を教えてもらい、とても参考になった。

俺は西安から列車で西に向って行く事にした。地図も何も無かったので、西安で中国のポケット地図を買って、それを頼りにこの先旅をする事にした。中国も日本も漢字の国なので、何となく、書いている事は推測できてしまう。アルファベットを使う国の人達にとっては漢字ばかりの中国の旅行はとても大変だろうなぁ~、と思った。俺の列車の席は一番安い席を買った。しかし、一応指定席にした。目指す所は嘉峪関(カイオクカン)。その町から敦煌にバスが出てるらしい。西安から嘉峪関までは列車で約30時間。

この列車がとても大変だった。指定席のはずが、俺の席には中国人が座っていて、俺が座れそうにない。指定席を買ったのにどういう事だろ?しかも、車両の中が人だらけ。乗りきれる以上の乗車券を売っているんだろう。列車の中は座席も通路も満杯に人が乗っている。おそるべし中国。ひとりっこ政策をどんどんやってほしいと思った。俺は外国人だからか、指定席のチケットを持っているからか、なんとか席に座る事が出来た。でも、3人用の席に五人ぐらい詰められてしまった。それでも、良かったと思わないとならないのでしょう。俺の隣には車掌が座っていた。中国の車掌はとても威張っている。お客を殴り飛ばしながら席を取ったり、切符を見たりしてる。お客をお客だと思っていないようで、とても威張っていた。

俺の席の向い側に西安の大学に通ってる女の子が座った。彼女は大学生なので英語が話せる。俺なんかよりも彼女の方が上手な英語だった。彼女を通訳にして、車掌や俺の周りにいる人々と話を始めた。しかし、俺の英語は全然ダメである。彼女の通訳も限界があって、なかなか話がかみ合わない。何となくは意思が通じるけど、難しい所が通じないのだ。そのうちに筆談になった。さすが中国と日本、漢字の国の凄みだね。一通り、俺の旅のことについて話し終っても、まだ、列車は走りつづけてる。1夜明けて、外が明るくなって景色が見えるようになった。中国の景色はとてもダイナミックだった。山あり、河あり、とても綺麗だった。列車の中では俺を含めてみんな疲れ果てていた。

何十時間も列車の中に満杯の人が乗り込んでると、当然、ゴミが出る。客も食べ物を食べたり散らかしながら、列車に乗ってるので、日本の列車なんかとは比べ物にならないぐらいのゴミが出る。たまーに車掌が掃除しに来る。ほうきを持って通路に座っている客達をどかせながら掃除に来る。山のようになったゴミを、列車の窓から外に捨てていた!周りを見るとお客さんも窓からゴミを捨てまくっている。バナナの皮もビールビンもなんでもいっしょにまとめて捨ててしまう。中国にはリサイクルはおろか、ゴミ箱という感覚がないのではないか?ビックリしてしまったが、俺がどんなにゴミ箱にゴミを捨てても、そのゴミ箱のゴミを列車から外に捨ててしまう。日本人が必死にリサイクル問題に取組んでるのに、日本人の10倍ぐらいの人間が住んでる中国人のゴミに対する意識が、こんな感じではむなしくなってしまう。中国の鉄道の沿線はどんどんゴミで一杯になっていくんだろうけど、しょうがないだろうね。

30時間も硬い木の椅子に座っていたからとても疲れてしまった。それでもまだ、嘉峪関に着かない。夜中の2時ごろ、車掌さんにもうすぐ嘉峪関に着くと教えてもらった。人の波をかき分けてやっと、出入り口に着く。お世話になった車掌に別れを告げて、列車を降りた。夜中の2時の到着である。どこに何があるかわからないし、夜中で治安も心配だし、困ってしまう。駅前にバスがいて、それに乗ってホテルに連れて行ってもらう事にした。といっても、夜中でホテルも閉まっていた。困っていたら、中から、管理人さんが出てきて、泊めてくれる事になって、一安心。久々にゆっくりと寝ることが出来た。

次の日、嘉峪関観光に行く。観光タクシーのにーちゃんが観光に行かないか?と、誘いに俺の部屋までやってきた。ちょっとビックリしてしまったけど、せっかくだから、行くことにした。万里の長城の一番西の端に行った。万里の長城は土の壁で、ぼろぼろだった。西の先端は崖になってて、とても凄い所だった。次に、山の稜線の上を通っている万里の長城に行った。壁もちゃんとした万里の長城のイメージ通りの物だった。長城の中に入たり、上に登ることも出来た。これまた感激。そして、最後に万里の長城の一番西の砦に向った。砦はとても大きくて、そこは博物館の様になってて、色々なものが展示してあった。ここには三国志の武将の関羽が、奉られていた。なかなかステキな砦だった。一つ一つの場所がとても離れていたので、タクシーでしか周れそうになかったし、回った観光地も楽しめたので、満足だった。午前中でタクシー観光は終わったので、午後からは嘉峪関の町の中心を見に行ったり、敦煌に行くバスの乗り場を探したりした。

シルクロードの旅に戻る | 次のページ>>