アラスカ紀行 1

なんでアラスカ

1999年の1月の終わり頃、私はとても暇でした。仕事もしてなかったし、これからやりたい事も、とくにあるわけではありませんでした。そんな時、「オーロラを見る」「土星の輪をまじかで見る」なんて、突拍子もない事をしてみたくなりました。「土星の輪~」は今の科学レベルではちょっと無理そうなので、50年ぐらい待つことにして、オーロラの方を見に行ってみようと思いました。善は急げ!ということで、さっそくどこで「オーロラを見ることができるのか」を調べる事にしました。とりあえず、近くのでっかい図書館に行って、調べてみることにしました。

調べてみると、オーロラは北極と南極の両方で見えるらしいのです。私の読んだ本では研究者の先生達はアラスカで研究なさってるそうなのです。北欧の方でもオーロラを見れるらしいですが、アラスカのことのほうが詳しく出てたので、アラスカに行く事に決定しました!!私の読んだ本には結構難しい事も書いてあって、オーロラ発生のメカニズムとか、詳しく載っていましたが、難しい事は飛ばしながら読みました。私が一番知りたいのは、どこで、いつ頃、オーロラが出るかということです。そして、判った事は場所はアラスカのど真ん中、フェアバンクスという町。季節は2月から3月頃。って、今じゃん!!

次に、どうやったら、アラスカに行けるだろうか考えました。とりあえず飛行機だろうなぁ~。と思い、飛行機の格安チケット屋さんを探して、電話をして聞いてみました。5~6件ぐらい電話すると、だいたいの飛行機の値段がわかってきて、早速予約を入れました。

次にホテルですが、ま、アラスカにも、人が住んでるのだから、きっと現地に安いホテルもあるだろう。と、思い、ホテルは現地で見つける事にしました。飛行機さえなんとかなってれば大丈夫でしょう。

次に英語ですが。これも、人間その気になってしまえば言葉なんてなんとかなるはず。英語の嫌いな私にとって、英語はかなりの問題でしたが、それは無視する事にしました。

そして最後に、お金です。これは結構貯金があったので、そのなかからもって行く事にしました。トラベラーズチェックはあまり好きではなかったので、全て現金で1ヶ月は充分に暮らせるだけ持っていく事にしました。服装はきっと寒いだろうからスキーウェアなど、暖かい服をたくさん、スーツケースに詰め込んで、持って行く事にしました。こんな感じのいい加減な準備でしたが、アラスカに出発する事になりました。

パニック韓国

今回、使った飛行機会社は大韓航空。札幌から飛んでいるのでわざわざ成田や関空に行かなくても済むすぐれものです。一度ソウルに寄ってから、アラスカのアンカレッジに到着する飛行機です。これが一番安かったため、大韓航空に決めました。ソウルで一泊しなければならないのですが、空港は24時間やってるらしいので、空港のベンチで一晩過ごす事に決めて、ソウルの宿は予約しませんでした。空港からも出ないで、24時間、空港に留まる事に決めました。なるべくお金を節約するためです。

飛行機はお昼過ぎに千歳空港を出発して、夕方、4時ごろにソウルに到着しました。飲み物、食べ物代ぐらいの現金を韓国のウォンに両替して、空港の中を探検。結構、楽しめました。夜10時ごろになってきて、そろそろ、今日の寝床を決めて、横になろうと思ってたら、警備の人がやって来て、もうすぐ空港がしまるから、出て行け。と、言ってるらしいのです。英語も韓国語もわからないので、身振り手振りでの意思疎通でした。その結果、空港を追い出される事になりました。こんな事なら、もっと早く、何とかしとけば良かったのに、もう、後の祭です。そんな訳で、地下鉄に乗って、とりあえず、繁華街まで行ってみる事にしました。

地下鉄に乗るのは問題ないんだけど、何処に行って良いのか解らないのです。駅員さんに聞いてみましたが、わかる分けありません。何故ならば、自分自身、何処に行きたいかわかんないのですから。そのうちに、5、6人の駅員さんが出てきて、私の話を聞いてくれました。しかし、お互いにつたない英語ではらちがあきません。そんな時、一人の日本語が出来る、駅員さんが登場。彼の登場で状況が一変しました。ここから3つ先の駅のすぐ近くにホテルがあって、そこに泊まる事を奨めてくれました。ありがとう。みなさん!!

なんとか、ホテルに泊まることが出来、次の日の朝をむかえました。アンカレッジ行きの飛行機の時間は夕方4時ごろなので、充分な時間があります。こうなってしまたら、ソウル市内の観光もついでにしてやれ!と思い、ホテルのフロントの人に何処に行けばいいか聞いてみました。すると、地下鉄を何回も乗り換えて、繁華街に行けるらしい。それを聞いて出発。しかし、地下鉄の乗り換えで迷いそうなので、繁華街に行くのは諦めました。繁華街に行く途中で人がいっぱい降りている地下鉄駅があり、私はそこで降りてしまいました。

そして、その辺をぶらぶら歩きました。そのうちにデッカイ公園が見えてきたので、そこをお散歩。そのうちにお腹がすいてきたので、昼飯を食べようと、食堂を探しました。でも、なかなか見つかりません。お店の看板も、みんなハングル文字で書かれてるので、私に読めるはずがありません。しかも、今日は旧正月らしく、ほとんどのお店が閉まっているのです。そんな感じで、昼飯にありつくのに、2時間ぐらいかかってしまいました。やっと見つけた食堂で、なんとか注文を頼んで、サイロンタンなるものを食べさせて頂きました。

ソウルのどの辺なのか、結局わかりませんでしたが、なんとか昼飯にありつけ、とりあえず韓国でのハプニングを楽しく乗りきって、ソウルの空港に戻りました。もう一回、飛行機に乗って、今度こそやっとオーロラの国にたどりつけます。でも、スタートからこんな感じでは、この先、ちょっと思いやられそうです。

アラスカ初日

やっとアラスカのアンカレッジに到着。入国審査を簡単に済ませて、空港ロビーに出たのが、まだ、朝の7時か8時ごろです。早めにフェアバンクスに行ってしまいたいのですが、このまま、飛行機で行く事が出来るのか?それとも、アラスカ鉄道に乗って、ゆっくりと、フェアバンクスに向うのか。アンカレッジの町で、情報を集めないとなりません。でもその前に、空港から町に行く方法を探すのが先決です。

空港インフォメーションがあっさりと見つかって、今後どうやってフェアバンクスに行けばいいかがわかりました。鉄道は、週に一本しかないらしく、2、3日後にしか、出ないらしいので、飛行機で行く事にします。今日は、アンカレッジに泊まって、明日にでも、フェアバンクスに行くことに決めました。ダウンタウン行きのバスはインフォメーションのお姉さんが教えてくれたとおりに、すぐにわかり、バスに乗って、ダウンタウンへむかいました。

スーツケースを引きながら、ダウンタウンに到着しました。その時、私は日本円しか持っていなかったので、一番最初にしなければならないのはUSドルを手に入れる事でした。とりあえず、両替商に行って日本円をUSドルに変えてもらいました。そして、今日の宿を探し始めました。しかし、歩いて周るにはちょっと遠い。何か情報センターがないかと思って、歩いてると、近くに町のインフォメーションセンターを発見。さっそく聞いてみる事にしました。宿があることはあるけど、なんだかパッとする宿がありません。まだ、昼前だし、空港に行って、今日中にフェアバンクスに行ってしまう事に決め、もう一度、バスに乗って、空港に向いました。しかし、このバスは、空港の近くまでは行くけど、ターミナルまでは行かないバスだったのです!!バスは途中でおろされ、テクテクと、ターミナルまで歩きました。30分ぐらい歩いても、まだターミナルには到着しません。寒いし、スーツケースは重たいし…。でも、どうしょもないから、辛いけど、歩く。すると、一台の車が止まってくれて、ターミナルまで連れてってやるから、乗っていきなさい!!と、うれしいことを言ってくれました。ありがとう!!お言葉に甘えて、その車に乗せてもらいました。アラスカに着いて、いきなりヒッチハイクみたいな事になってしまいました。車に乗ると、あっという間にターミナルに着きましたが、残りの距離を歩くとなったら、大変だったな、と思い、感謝。本当にありがとう!!

空港に着いて、フェアバンクス行きの飛行機を予約。2時間ぐらい後に飛行機が出るというので、それに乗ってフェアバンクスに出発しました。飛行機での移動はあっという間でした。フェアバンクスの空港はとても小さな、淋しい空港でした。さて、これからどうしよう。もう、午後3時を過ぎてるので、早めに今日の宿を探さないとなりません。空港でウロウロしてると、インフォメーションボードを発見。そこには安そうな宿の情報とか、冊子があったので、それを参考に、今日の宿を決めることにしました。これから、何泊するかわからないので、できるだけ安い宿を選んで、電話する事にしました。公衆電話を見つけて、電話をかけてみても、つながりません。私には公衆電話で電話をかける能力もないのか?と、思っていると、警備の人がやって来て、電話をかけてくれて、おまけに、予約まで入れてくれました。ついでに、外に止ってるタクシーの運転手に私をその宿まで連れて行ってくれるように、話しているのです。あれ?あれ?と、思ってるうちに、その宿に連れて行かれるこのになってしまいました。
タクシーで15分ぐらい走ったところにその宿は在りました。おばさんが家族といっしょにやっている、ホテル?イヤ、普通の家庭の1部屋を旅行者に貸しているような感じのホテルです。アットホームな宿だけど、私が思っていた以上にアットホーム過ぎる宿に泊まることになりました。このステキな宿にこれから長い間お世話になるのですが。この時はまだ、そんなに長くお世話になるなんて、思ってもいませんでした。

キッチンは貸してくれるらしく、自分で自炊する事が出来ます。素泊まりなので、とりあえず、今日の夕食を何とかしなければなりません。私がどうしようかと思っていると、宿のオーナーがスーパーに車で買い物に行くから、乗せて行ってあげようか?と、言ってきてくました。ありがたく、連れて行ってもらう事にしました。そして、ようやく、なんだかとても良い宿を見つけたのではないかな。と、感じて、アラスカでの滞在の拠点にしようかなと、思い始めてきました。

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