旅の想像力
バイクに乗って直線道路を走っているといろんなことが頭に浮かぶ。たいていは流れる風景を見ながら歌を歌っているのだけれども、それ以外にもいろいろと考えてしまう。例えば、アンデスと似たようなところを通った時にはアンデスを旅していた時の思い出が頭に浮かんだり、海が見えてきたら世界のいろんな海を思い出したりする。子供の時の出来事を思い出しながら走る事もある。
これからの旅のプランを考える事もあるのだけれども、今後の旅のプランは不確定要素が多いのでそれほど具体的に頭に浮かんでこない。頭の中で計画を練るのは今日や明日の事ぐらいまでが限界だ。そもそも、目的の町に着いてみなければ、どれぐらいの町でどんなものがあるかは想像つかない。
バイクに乗りながら頭に浮かんでくる事は未来よりも過去の事の方が多いのだけれども、この前は自分がどんな風に年をとるのだろうかと想像しているうちに時間が過ぎていた。これまでに出会った、いろんなおじいさんを思い浮かべながら、自分が成りたいおじいさんを想像してみた。そのうちに俺は可愛いおじいさんになりたいのだということに気が付いた。これからは可愛いおじいさんを意識して生活してみようかな。
そんな風にいろいろと考えながらバイクで走っていると、いつの間にか目的地が近づいてきている。
2010年10月19日 記入