正社員と派遣社員

看護師として正社員で働いていると、会社のシステムの歯車として使われているようで、どうも窮屈だ。終身雇用制度が一般的になった社会で安定した社会的地位や安定した収入を考えると、正社員という社会的地位は保護されているように見えるし、俺の周りにはその様に正社員を勧めてくれる人が多い。だが、俺は正社員という社会的地位がそれほど保護されて安定した魅力的なモノだとは思えないのだ。

戦後の日本がたまたま経済的に安定した成長が続いたから、終身雇用というシステムが一般的だと思われる様になったが、終身雇用というシステムが成り立つ社会経済は歴史上では一般的なことではない。社会の構成員の大部分を安定した終身雇用でまかなう事の出来る社会はむしろ珍しいだろう。

終身雇用という社会システムが50年以上も継続されている事が奇跡的な事だ。終身雇用という社会システムは本来、不安定な社会システムなのだ。その不安定な社会システムを持続させてきた戦後の日本の経済成長が特殊なのだ。戦後日本の終身雇用制度や社会システムと同じような事が歴史上今までに無かったかというとゼロではないが、決して一般的な事ではない。むしろ、めずらしい事であり、特殊な社会システムだと思う。

現在の日本の経済システムを見つめると、もうすぐ経済的に破綻しそうなのは誰でも予想できるだろう。終身雇用という不安定な社会システムが信頼できないので正社員が安定しているとはどうしても思えないのだ。

その様な不安定な社会システムの上に築き上げられた正社員という終身雇用制度に魅力は感じない。それよりも正社員として組織に組み込まれて組織の常識に縛られてしまう事の方が俺には大きい。精神的、肉体的な不自由があまりにも大きく感じてしまうのだ。

看護師資格を取得して派遣社員であろうとバイトであろうと仕事に困らなくなったのだから、無理をして正社員を続ける必要はない。しばらくの間は、正社員という雇用形態では働かず、バイトや期間限定の派遣社員として働こうと思っている。

ただ、派遣社員やアルバイトよりも正社員の方が勉強になる事が多く、自分のスキルアップのためには正社員という雇用形態も魅力はあるなと感じた。

2010年1月15日 記入

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