旅のカタチ
1999年から2000年にかけてシルクロードを旅している時はほとんど情報を持たないで旅をしていたので、見逃している観光地や遺跡や面白い場所がたくさんあった。近くまで行っているのに、俺の知識不足の為に知らなで通り過ぎている観光地や遺跡がたくさんあるのだ。
そんな見逃している観光地や遺跡を最近になって発見することがある。現在旅をしているバックパッカーたちが旅の空の下からリアルタイムで世界に発信しているHPやブログがたくさんあるからだ。彼らは当時の俺が知らなかった楽しい体験を俺と同じような旅をしながら体験し、その楽しい旅の様子をHPやブログに書いている。そんな、彼らの旅の記録を読んでいると、なんだか悔しい感じがする。
俺は日本で看護学生をしているので今は長期の旅に出ることができない。そんな日本に縛られている俺にとって、彼らの旅は羨ましいもの以外の何物でもない。しかも、当時の俺よりも現地のことを調べている彼らは俺よりも楽しい体験をしているのだから、なおさら悔しさが増してしまうのだ。
でも、当時の俺は何も知らなかったからこそ、あの楽しかったシルクロードの旅が出来たのかもしれない。シルクロードを旅している時にたくさんの情報を持って旅をしていたなら、あんなに無計画で乱暴な旅は出来なかっただろう。それに、俺のシルクロードの旅だって十分に楽しかったし、あの時期にあの場所であの時の俺でなければあんな旅をすることはできなかったと思う。現在旅をしているたくさんのバックパッカーの旅に負けないぐらいの楽しかった体験もできたし、感動することもできた。もちろん、自分の旅と他人の旅を比べて優劣をつけること自体がおかしな事なのは十分に判っているのだが。
あの時のシルクロードの旅の楽しい記憶が残っているからこそ、今旅をしている彼らに嫉妬してしまうのだろう。
2007年2月26日 記入