伊豆大島観光

2009年9月13日~15日に行ってきた伊豆大島の観光の記憶。

友達が伊豆大島に住んでいるので、この機会に伊豆大島に行く事にした。伊豆大島に行くフェリーは浜松町の竹芝桟橋から出ているらしい。

浜松町に桟橋や港があること自体を知らなかったのでちょっと驚きだ。仕事が終ったら前日からパッキングを済ませてあるスーツケースを担いで出発する。伊豆大島行きのフェリーは11時に出航するので遅くても10時半には竹芝桟橋に到着していれば乗り遅れることはないだろう。

竹芝桟橋のフェリー乗り場に到着すると、思っていたよりもたくさんの人達がフェリーの出航を待っているようだった。俺もその中にまぎれて出航時間を待つ。フェリーの中でお腹が空いたり、喉が渇くと困るのでフェリーターミナルでペットボトルとお菓子を買った。

フェリーに乗り込んで自分の座席を確認してから、船内の探検に出かけた。最初にデッキに行ってみるとたくさんの乗客が東京湾の夜景を楽しんでいた。俺も他の乗客と一緒になり東京湾からの夜景を楽しむ。思っていた以上に東京湾から見る夜景は綺麗だった。船の上から眺めるお台場の観覧車や東京タワーは普段見る事が出来ない風景だ。そのうちに、レインボーブリッジが近づいてきた。普段はなかなか体験できないレインボーブリッジの下を通過した時は感激だった。周りの乗客たちも感激している様子でデッキのテンションが上がった。

フェリーから見る東京湾の夜景がこんなに綺麗だとは思っていなかったので、しばらくの間フェリーのデッキで夜景を見ながらワクワクしてしまう。

デッキでは学生風のグループがたくさんいて、夜景を楽しんでいる。フェリーが進行していくとユリカモメや羽田空港が見えてきた。ライトアップされていてとても綺麗に見える。陸上からは見る事が出来ない景色に感激だ。

しばらくデッキで夜景を眺めていたが、ちょっと寒くなってきたのでフェリーの内部探検を再開する事にした。

フェリーは思っていたよりも大きい。俺は船酔いをしやすい体質なので、船酔いの心配をしていたのだが、この大きさなら東京湾を出て太平洋に行ってもそれほど船酔いせずに寝ることが出来るだろう。

少し安心した。伊豆大島に到着するのは朝の5時らしい。12時には船内が消灯してしまうらしいので、それまでに船内の探索を終了しておかなければならない。デッキはかなり大きく、椅子やテーブルがあり、ビールを飲んで酔っ払っている人達もいる。それぞれに船旅を楽しんでいるようだ。そんな光景を見ているうちに旅の雰囲気が盛り上がっていく。

消灯時間を過ぎると、船内の明かりはほとんど消されてしまった。屋上のデッキで流れる東京の夜景を見ている人以外は眠りについたようだ。俺も明日は早朝から大島観光なので、あまり夜深しをしないで寝る事にした。

船内アナウンスがもうすぐ大島に到着することを伝えた。俺はそのアナウンスで目が覚めた。ちょっと眠たかったが時計を見ると到着まで30分ぐらいだ。

自分の荷物をまとめて、下船の準備をする。デッキに出ると外は明るくなっていた。空は曇っているのだが、雲の隙間から朝日の明るさが漏れてくる。もうすぐ日の出だ。大島の港がだんだんと近づいてきている。港に到着する頃には朝日を見る事が出来そうだ。

しばらくすると水平線近くの雲が輝きだして、朝日が昇ってきた。いつ見ても感じるのだが、朝日は綺麗だ。日の出を見ていると心が洗われるようだ。太陽が昇ってくるのを見ているうちに、船は港に到着した。

港に到着してから友達に連絡すると、港まで迎えに来てくれた。友達の車に乗り海岸の遊歩道に向かった。低い位置にある朝日が雲の間から綺麗に見えた。

遊歩道のベンチに座って友達が用意してくれていた自家製のパン広げるて食べる。伊豆大島に住んでいる友達の同僚看護師が非番だったので一緒に伊豆大島観光に付き合ってくれると言う。今回は3人での観光となった。

朝の空気が少し冷たいが、朝日に照らされた雲の下で食べるパンと暖かいコーヒーは美味しい。3人で今日の予定を相談する。観光情報を何も調べていない俺は伊豆大島に住んでいる2人が決めてくれた観光コースに従う。

のんびりと食事を食べているうちに太陽の高さが上昇し日差しが強くなってきた。気温も上がる。

伊豆大島は9月だというのに暖かい。半袖でも十分に過ごす事が出来る。まだ、時間が早いのでお店などはどこもやっていない。海岸遊歩道の緑が太陽の光を受けて綺麗に輝きだした。朝日を浴びながらの散歩は気持ちが良い。

ゆっくりとした贅沢な朝食を食べ終えて、次の場所に向かう。

食事の後は車で別の海岸に向かった。

朝8時前の海岸には誰もいないと思ったのだが、ダイビングショップの車がお客さんを連れてきていた。これからダイビングをするようだ。伊豆大島の海は綺麗だろう。今回はダイビングの時間は無いのだけれども、次に来る時はダイビングも楽しみたい。

伊豆大島の海は本当に綺麗だ。のんびりと眺めているうちに、朝の贅沢な時間が過ぎていく。海と反対側に眼を向けると朝日を浴びた三原山を見上げる事が出来た。三原山は2日目の朝日を見に行くので、今日は麓から眺めるだけの計画だ。

伊豆大島には天然の塩田があり、工場見学が出来るらしいので、アポ無しで訪れてみることにした。アポ無しなのだが運よく工場案内をしてくれた。我々3人だけのために時間を割いてくれるのは何か申し訳ない感じだったが、十分に満喫することが出来た。

海水をそのまま炎天下で濃縮して塩を取るので、かなりの時間と広さが必要となるらしい。塩田の一部を見せてもらい、塩の結晶の出来るまでを見せてもらえて面白かった。普通の食塩と天然の塩の違いを教えられて試食したが、天然の塩は確かに味わいや甘さがあって美味しい。だが、何度も試食を繰り返しているうちに味が判らなくなってしまった。

塩田で楽しんでいるうちにお腹が空いてきた。昼ごはんは波浮港の寿司屋さんで食べる事にした。伊豆大島の美味しい寿司を堪能する事が出来た。

浮波港は踊り子の里となっているらしく、情緒ある町並みだ。昭和の雰囲気を保ったままの町並みはステキだ。何も無い街なのだけれども、何も無いのが良い。

美味しい寿司を食べた後のお散歩にはちょうど良い横丁だ。

波浮港の踊り子の里には文学の散歩道があったので行ってみる。

散歩道は階段になっていたので、腹ごなしに登る。情緒があってステキな石段だが誰もいない。閑散としている。繁栄していた昔の事を思い浮かべながら石段を登った。

石段の途中に旧港屋旅館がある。港屋旅館は伊豆大島が繁栄していた頃に活気があった旅館らしい。小説の舞台にもなっているらしい。

旧港屋旅館は博物館になっていた。

当時の面影を再現するように人形たちが所狭しと並んでいるのが面白い。製作者は人形がリアルになるように一生懸命作っているのだろうが、リアルであればあるほど面白さがこみ上げてくる。

しかも、ボタンを押すと音楽と一緒に人形が踊りだすのだから、笑わずにはいられない。我々以外にはほとんど誰もいない、貸切状態の旧港屋旅館は予想していなかった意外な穴場スポットだった。

旧港屋旅館を出た後に更に石段を登ると旧甚の丸邸に行く事が出来た。旧甚の丸邸が何をどうしたものなのかよく判らなかったが、観光客に開放されているようだ。たぶんどこかの小説に書かれているのだろう。観光客は我々以外に誰もいないので旧港屋旅館と同じ様に閑散としている。

我々3人は日の出と共に早朝から活動しているので、少し疲れが溜まってきたようだ。しかも時間は午後2時で1番暑い時間帯だ。誰から提案するでもなく少しの間、旧甚の丸邸でのんびりとくつろいだ。旧甚の丸邸は涼しくて気持ちがよかった。

30分ぐらい旧甚の丸邸で休んでから活動再開する。外に出て歩き出すと踊り子の里には猫がたくさんいる事に気が付いた。人にも慣れているようで近づいても逃げていかない。猫達も昼下がりの暑さにぐったりしている様子だ。

旧甚の丸邸からの帰り道も同じ石段を降りて車まで戻る。登ってくる時には気が付かなかったのだが、石段の途中から波浮港の景色を見る事が出来た。

思っていたよりも小さな入り江なのだが、上から眺めるとまた違った感覚だ。空が高くて気持ち良い。

波浮港で踊り子の里を散策した後は車で移動する。途中で買い物をしてから、車で山道を登り島に住んでいる人しか知らないカフェに連れて行ってもらった。ログハウスを改造しているお洒落でのんびりとした雰囲気はとても落ち着く。

カフェでのんびりと昼下がりのひと時を楽しんでいるうちに夕日の時間が近づいてきた。太陽が沈んでしまう前に溶岩にも行ってみる事にした。三原山が噴火した時の溶岩が流れてきたところまで車で行く事ができるらしいので向かう。

ちょっと迷いながらも溶岩が露出している場所に到着した。観光地にはなっていないので、適当に車を停めて溶岩に登る。溶岩は噴火から数年経っているので、すでに冷たい岩になっている。しかも場所によっては植物が生えている。火山の噴火は人間の生活を大きく混乱させてしまうが、数年もすると植物が生えて噴火など無かったかのように自然は元に戻るのだ。

地球は人間が思っている以上に柔軟性があり変化に適応出来ている。人間には深刻な変化だったとしても自然の営みにとってはほとんど影響がない些細な出来事なのだと感じる。

夕日までにはもう少し時間があったので、友達の家で少しのんびりする事にした。早朝から活動していたので少し疲れていたのだろう。気が付くと夕日が沈んでいた。残念な事をした。夜は星を見に三原山の中腹まで車で行った。明かりが少ないので綺麗な星空を見る事が出来た。月が無いのでとても美しい星の瞬きを見た。

星を眺めた後に露天風呂に行ったが、露天風呂は終っていて誰も居なくなっていた。ちょっと忍び込んでみるとまだお湯があって入る事が出来たので、ちょっとだけ入った。お湯の量は少なくなっていたが気持ち良かった。

2日目は深夜の三原山登山をする予定だったが、疲れきってしまったので諦めた。それでも朝日は見たいので5時には三原山に到着するように起きる。

車で山頂に向かううちに周りがだんだん明るくなってきたが、三原山の山頂は霧に覆われたままだ。それでも、せっかくなので遊歩道を歩いて山頂に向かった。しばらく歩いていったのだが霧は晴れない。もちろん観光客も誰一人いない。

三原山の山頂は平坦になっていて最後に少しだけ登るようになっていた。

山頂まで登ったのだが霧で何も見えない。残念だが仕方がない。次回三原山に来た時のために三原山からの景色は残しておこう。

霧の三原山を歩いたので汗をかいている。せっかくなので三原山温泉に入っていくことにした。露天風呂からの景色も残念ながら霧だったのだが、お湯はとても気持ち良かった。大きな湯船でのんびりとお湯に浸かっていると疲れが抜けていく。

伊豆大島からの帰りは高速船だ。港に行くとカラーリングの派手な船が待っていた。

何も無い伊豆大島だったが何も無いところを満喫できた。友達や友達の同僚と一緒に観光できて面白かった。

高速船は船酔いしてしまうかもしれないと心配だったが、早朝の三原山登山の疲れがあったので熟睡していた。竹芝桟橋に到着するというアナウンスで眼が覚めた。

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