犬山温泉ツアー

2009年2月14日~15日に行ってきた犬山温泉とお城巡りの旅の記憶。

2月の東京は寒くてシャワーだけでは体が温まらない。そんな生活を続けているうちに温泉に行きたいなと思うようになった。2月にもらう事が出来た俺の連休は14日と15日だけだったので、その日程で温泉に行く事にした。ネットで検索してみると愛知に犬山温泉と言う温泉があり、新幹線からの交通アクセスも良かったし値段もお手ごろだった。

連休で混んでいるだろうと思ったが、ネットで宿の予約を入れる事が出来たので、犬山温泉に行く事に決定した。犬山温泉には国宝の犬山城があるらしいので、今回の温泉旅行は名古屋城と合わせてお城を巡る事になった。

東京からは新幹線で名古屋まで移動する。途中の新幹線からは富士山を綺麗に見る事が出来た。車内アナウンスでも 富士山が綺麗に見える場所を知らせてくれた。

天気予報では14日も15日も全国的に雨という予定だったのだけれども、実際の天気は14日の朝方に雨が上がって、富士山も綺麗に見る事が出来るほどの雨とは無縁の天気になった。俺は晴れ男なんだなと改めて感じてしまった。

名古屋には乗換えで降りた事はあるが、実際に観光するのは初めてだ。名古屋の地下鉄に乗るのも初めてなので記念にキップの写真を撮る。それにしても名古屋市の地下鉄はどうしてこんなに値段が高いのだろう。

名古屋市営地下鉄の駅のホームにはラテンな感じの壁になっている。巨大なパネルに描かれた絵でホームが埋め尽くされている。なんとなく、海外を旅している途中で見たことのある絵のような気がしたけれども、思い出す事は出来なかった。それでも素晴らしいセンスだなと思った。

名古屋城の最寄り駅は市役所前だった。地下鉄の入り口も名古屋城を意識した入り口になっている。地下鉄の入り口から出てきて振り返ってみると、瓦屋根の入り口だったので驚いてしまった。

入り口から外に出ると、名古屋城の御堀が見えていた。それだけでテンションが上がってしまう。御堀の周りを歩いて名古屋城の入り口に向かった。

名古屋城の入り口にはボランティアガイドがいて、無料で名古屋城を案内していた。せっかくなのでボランティアガイドのおじさんに案内をお願いしてみた。名古屋城の歴史などの解説を聞きながらの名古屋城観光はとても面白い。天守閣が良く見える場所なども案内してもらえた。ガイドのおじさんの案内無しで名古屋城を観光していたら、気が付かないで通り過ぎていた場所がたくさんあったと思う。

ガイドのおじさんの説明だと名古屋城は関が原の戦いの後に築城された戦国時代の中では新しいお城なのだそうだ。なので戦国時代の最新で最先端の技術を取り入れて建設する事が出来たようだ。

それだから名城と呼ばれることになったのだろう。天守閣は第二次世界大戦の時にアメリカ軍の空襲で燃えてしまったらしいが、石垣は当時のままの石垣が現在まで残っている。

石垣を見ながら天守閣への道を歩いていく。近くから天守閣を見上げると、その大きさに驚いてしまう。今、踏みしめている石垣が400年前の物だと思うと、なんだか歴史の流れを感じてしまう。

現在の天守閣はアメリカ軍の空襲で焼けてしまった後に再建された物で、内部にはエレベーターが設置されている近代的な構造の建物で博物館になっている。ガイドのおじさんの案内に従って5階から観光を始めた。5階からは名古屋市内を見渡すことが出来る。天守閣の真ん中の螺旋階段を使って4階、3階とガイドのおじさんの説明を聞きながら天守閣内の博物館を見学する。螺旋階段の真ん中は上からは下まで吹き抜けになっていて、1階まで見下ろす事が出来た。

天守閣内の博物館の案内でボランティアガイドのおじさんの案内は終了した。ガイドのおじさんの説明のおかげで楽しく観光をする事が出来た。天守閣を出たところで、おじさんにお礼の挨拶をしてお別れした。

この日はとても天気が良かったので天守閣の周辺も歩いてみる事にする。天守閣の周辺は名古屋城公園になっており、梅が咲いていた。2月の中旬だというのに梅が咲いているのには驚いた。

名古屋城の御堀は水が入っていない。下が土になっているのだ。その御堀の中で鹿が生活していた。御堀の中に鹿がいるのでちょっと驚いてしまった。

御堀の中の鹿達は御堀の中だけで生活するのかなと考えてしまう。

名古屋城の石垣は石垣作りの名人と言われた戦国武将の加藤清正が作ったのだという。その技術が優れていたので現代まで崩れる事無く、現存しているのかもしれない。

入り口と反対側から見る西日に照らされている名古屋城の石垣と天守閣は美しい。

名古屋城の天守閣の入り口の前には売店と休憩所があり、その前で猫が寝転んでいた。観光客がたくさんいるのだけれども、お構いなしに寝転んでいる。

名古屋に着いてから1日中歩き回っていたので疲れてしまっていたが、昼寝している猫を見ていると癒されてしまう。休憩所で少し休んでから、もう少し名古屋観光を続ける。

名古屋城観光の最後になって名古屋城の正面入り口に来る事ができた。名古屋駅に戻ろうと思ったが、夕暮れまではまだ時間があったので、名古屋城の近くにある那古野神社と東照宮に行く。

名古屋城から那古野神社に行く途中に護国神社があったのでちょっと寄ってみる。今年初めての神社だったのでおみくじを引いてみると末吉だった。おみくじの内容はしばらくは思うように行かないので、努力を怠るなというような事が書いてあった。正論といえば正論だが、おみくじ1つになんとなく嫌な気分にさせられた。

護国寺からしばらく歩くと名古屋城の外堀が見えた。外堀を越えて高速道路の下を少し歩くと那古野神社に到着した。とても小さな神社で観光客は誰もいない静かな場所で落ち着いた雰囲気が漂っている。東照宮は那古野神社の隣にあった。

東照宮も那古野神社と同じように参拝客もいなくひっそりと静かな雰囲気が漂っていた。

那古野神社と東照宮を見学した後はテレビ塔に行く。地下鉄に乗ろうとしても良く判らないので、名古屋の街を観光がてらゆっくりと歩いて行く事にした。なんとなくテレビ塔があるだろうと思う方向を目指して、しばらく歩いているうちにテレビ塔が見えてきた。札幌のテレビ塔と名古屋のテレビ塔は周囲の雰囲気なども似ていると聞いていたが、噂通りに札幌のテレビ塔と似ている。

せっかくなのでテレビ塔の展望台に登ってみる事にした。テレビ塔の上からは名古屋城や高速道路を見る事が出来る。テレビ塔の上から見下ろす名古屋市内の景色を楽しんでいるうちに太陽が沈みかけてきた。

テレビ塔の西側には名古屋駅のツインタワーが見えるので、夕焼けに映るツインタワーがとても綺麗に見えた。

テレビ塔で夕日を堪能した後は名古屋市営地下鉄に乗って名古屋駅に戻る。お腹が減ってきたので、名古屋駅で名古屋名物を食べる事にする。

名古屋駅の味噌カツ料理専門店を見つけて、味噌カツ定食を注文した。味噌田楽も付いているので得した気分だ。赤味噌の味噌汁も付いている。名古屋料理のオンパレードだ。美味しいのであっという間に食べてしまった。

名古屋名物をおなかいっぱい食べた後は犬山温泉に向かう。

名古屋駅から名鉄線で行くのだけれども、名古屋駅にはJRや名鉄や近鉄や市営地下鉄が入り組んでいて、迷子になってしまいそうだ。改札もたくさんあって初めて名古屋に来た人には分かりにくい構造になっている。迷いながらも、名鉄線の改札を見つけて犬山温泉に向かう事が出来た。

犬山温泉の駅は思っていたよりも閑散としていたが、情緒があって良い。予約している温泉までは歩いていける距離なのだけれども、暗い中を歩くのは不安だったのでタクシーで宿まで向かう。駅前に何台かのタクシーが待機しいたのでそれに乗って宿に向かった。

宿に到着して、チェックインを済ませるとすぐに部屋に案内された。部屋の窓からはライトアップした犬山城を見る事が出来てちょっと嬉しい。部屋で少しのんびりした後に温泉に入る事にした。

久しぶりの温泉だったので、とても気持ち良い。温泉にのんびりと浸かっているだけで疲れが吹き飛んでしまう。今日は1日中歩いて疲れていたので、温泉のお湯が体と心に染込んでいく。

朝ごはんの前にも温泉に入ってさっぱりとする。朝から温泉に入るのは気持ち良い。昨日は暗くて判らなかったが湯船からは木曽川を見渡す事が出来た。

朝食は和風スタイルのバイキング形式になっている。今日も犬山城観光で歩き回るので朝食をしっかりと食べる。ちょっと贅沢にのんびりと食事を食べた後は犬山城観光に向かう。

宿のフロントで荷物を預かってもらって、犬山城観光に向かった。宿から犬山城までは歩いていく事が出来るようだ。フロントで犬山城までの近道を教えてもらった。

フロントで教えられた通りに行くと、国宝犬山城の碑の前に出る事が出来た。

犬山城の正面入り口に向かう途中に猿田彦神社という神社があった。せっかくなのでお参りする。思っていたよりも猿田彦神社は観光客で賑わっている。猿田彦神社を抜けて石垣を登り犬山城の入り口に向かった。

石垣を登っている途中に針網神社という神社があった。その神社には人気のお守りの張り紙がしてあった。若者ではなく若人に人気だというところに神主さんのセンスを感じてしまう。

石垣を登りきり入場券を買って、ようやく犬山城を見る事が出来た。犬山城は天守閣も当時のまま現存している国宝だ。午前中の朝日を浴びる犬山城は素敵だ。思ったよりも観光客がたくさんいて犬山城は午前中から賑わっていた。

犬山城の内部は当時のままの石垣が残っている。入り口や階段はとても狭くて小さい。戦争で攻められた時に簡単に乗り込まれないようになっているのだそうだ。お城内部の石垣からも歴史の流れを感じる事が出来る。

犬山城の階段の勾配はとても急で現代の建築基準では考えられないが、お城は戦争をする事を前提で建築されているので当然なのだろう。

急勾配の階段を登っているうちに、前にもどこかで急勾配の階段を登った記憶がある事を思い出した。記憶を呼び起こしてみると、海外を旅している時にも数百年前の建物は階段が急勾配になっている事が多かった。日本でも海外でも昔の人は急勾配な階段を作るのが好きだった様だ。何か不思議な共通点を感じた。

犬山城の天守閣の上からは木曽川を見下ろす事が出来た。ほとんど川の流れがなく水面が鏡のように綺麗に見える。

犬山城の近くには、からくり展示館という展示館があった。展示館の中にはからくり人形が展示してあり、からくり人形の祭りの映像が流されていた。犬山城の城下町で育ってきた歴史のある文化なのだそうだ。

からくり博物館のすぐ近くには文化資料館があったので入ってみる。からくり人形の神輿の実物が展示してある、小さな博物館だった。

文化資料館を出た後にちょっとお腹が空いてきたが、食事の出来そうな場所が見当たらない。犬山城の碑の前にうどん屋があったので、昼飯はうどんに決めた。お腹いっぱいで満足した後は宿に戻って荷物を受け取り、木曽川沿いをのんびりと散歩しながら駅に向かった。

途中で荒削りなトンネルを通った。コンクリートで固められた様子も無く、岩をくりぬいたそのままの姿で残っているトンネルだ。このトンネルも犬山城と同じように重機などが無い時代に作られた歴史的なトンネルなのかもしれない。トンネルの上には犬山城が立っている。

木曽川沿いは綺麗に整備された遊歩道になっている。散歩するには最適だ。天気が良く緩やかな木曽川の流れを見ながら、のんびりと駅に向かって散歩する。

木曽川沿いの遊歩道から犬山城を見上げる事が出来た。遠くから見上げる犬山城の天守閣は素敵だ。

遊歩道をのんびりと歩いているうちに駅に到着した。名鉄線に乗って名古屋駅に戻った。

犬山から名古屋に戻ってから秀吉の誕生した公園に行ってみる。名古屋駅の観光案内所で聞いてみると秀吉誕生の碑は中村公園の中の豊国神社にあるらしい。地下鉄で行く事ができるようなので地下鉄に乗って豊国神社に向かった。すぐに豊国神社に行く事ができたが、どこが秀吉誕生の地なのかが良く判らない。

豊国神社でお参りして、散策しているうちに秀吉の誕生の地を見つける事ができた。豊国神社と中村公園を散策しているうちに秀吉清正記念館を見つけたので入ってみた。豊臣秀吉と加藤清正の生涯や戦国時代を解説しており、とても面白かった。どっぷりと記念館の展示品や解説に見入ってしまった。

精力的に観光をしているうちにあっという間に帰りの新幹線の時間になってしまった。楽しかった2日間が終ろうとしている。

新幹線の名古屋駅ホームから夜景の一部になったツインタワーを見上げながら、旅の終わりの淋しさを感じる。楽しかった思い出と一緒に新幹線に乗り込んだ。

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