パスポート盗難

2004年の1月2日に盗難にあったんだよね。かなりショックだったさ。レンタカーでナミブ砂漠ツアーに出かけてウイントフックの宿に帰ってきたところで、レンタカーのガラスを割られてポーチを盗まれたの。ポーチに入っていたのは日記帳とパスポートと国際免許証とボールペン。盗まれた中で一番ショックだったのは日記帳。パスポートや国際免許証は再発行すればどうにでもなるけど、日記だけは再発行する事はできないから悔しかったんだよね。

でも、1番面倒だったのがパスポートなんだよね。実はナミビアには日本大使館が無いの。なせなら、南アフリカにある日本大使館がナミビアも一緒に管轄しているから。だから、パスポートの再発行も南アフリカの日本大使館にお願いしてやってもらうしかないんだよね。日本大使館のある国だったら、パスポートを盗まれた本人が日本大使館に行って被害届を出して、パスポートの再発行をしてもらうんだろうけど、今回の俺の場合は大使館に行くためには南アフリカに行かなければならないの。でも、南アフリカに行くためには国境を越えなくちゃならなくて、そのためにはパスポートが必要なんだよね。だから、パスポートが無い俺は大使館に行く事ができなくて、面倒な事になってしまったんだよね。

パスポートを再発行するためには郵送で書類のやり取りをする事になったの。この国の郵便事情が信頼できるかは怪しかったけど、大使館員が郵送でやり取りしようと言うんだからある程度は信用できるんだろうなと思って、郵送でパスポートの再発行の手続きを始めたの。パスポートの郵送はちょっと不安があったけどさ。

郵送でのやり取りで手続きが遅くなっているのに加えて、俺が盗難にあったのは正月の2日だから大使館も正月休みで緊急事態以外の業務はやってないんだよね。当然だよね、正月だもん。それで更にパスポートの再発行が遅くなって、ウイントフックに足止めされてしまったんだよね。

どんな風に盗まれたかと言うと、ナミブ砂漠ツアーから戻ってきて宿にチェックインするために車を離れた数分の間に盗まれてしまったの。チェックインをして宿の前に停めてあるレンタカーに戻ったら助手席のガラスが割れていたの。最初は何かの間違いだと思ったんだけど、やっぱりどう考えてもガラスが割れてるんだよね。そして、盗まれた物を確認すると、俺のポーチが無くなっていたの。犯人はただそれだけのためにガラスを割って盗んでいったの。一緒にレンタカーを借りた3人でショックを受けたんだよね。宿の人も親切にしてくれて、警察署に被害届を出しに連れて行ってもらい、大使館や保険会社への連絡も電話を貸してくれたりしたんだよね。ありがたいね。

それからは保険会社や大使館やレンタカー会社とのやり取りをして、2日ぐらいの間にパスポートの再発行以外の手続きはとりあえず終わらせる事ができたの。それからは大使館からの連絡を待っているだけの生活になってしまって、暇を持て余してしまったんだよね。

せっかく暇なんだからウイントフックの観光をしようと思ったの。でも、観光地は高台にある教会ぐらいしかなかったんだよね。首都といっても小さな街なのさ。だから、パスポートが届くまではのんびりとする事にしたの。

あまりにもやる事がないから、何か面白い事をしたいと思ってるうちに変わった写真のパスポートを作ろうと思ったの。どんな写真が面白いかを考えた結果、前髪を1束だけ残してスキンヘッドの写真を撮る事にしたの。スキンヘッドに触覚が1本生えている感じの髪型さ。本当だったらそんな写真はパスポート用の写真として採用してくれないだろうけど、郵送でやり取りしてるし緊急事態だから、その写真でも新しいパスポートを作ってくれるだろうと思ったのさ。

早速、断髪式を決行して触覚のように髪の毛を1束残したスキンヘッドになったの。そのスタイルで写真を撮って、パスポート用の写真として送ったんだよね。当然のように大使館員から電話があって、他の写真はないか聞かれたけど、他の写真はないんだよね。

そして、パスポートが盗まれてから1週間経ってようやく新しいパスポートが俺の手元に届いたの。急いで手続きをしてくれた大使館員や盗まれた時に助けてくれた宿の人に感謝しながらパスポートを受け取ったさ。もちろん写真はスキンヘッドに髪の毛1束生えている写真のパスポートさ。そして、このパスポートは2008年まで使うことになるんだよね。

正月からパスポートの再発行の手続きをしてくれた大使館員には感謝してるさ。正月休みでゆっくり休んでいる大使館員は緊急事態用の電話番号でたたき起こされて、パスポートを盗まれた旅行者のために緊急にパスポートを再発行の手続きを取ってくれたのさ。せっかくの正月休みでのんびりしていた大使館員は盗難に合った俺のために少しでも早くパスポートが再発行できるように正月休みを返上して動いてくれたんだよね。ありがたいね。

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