言葉の神秘

中南米はブラジルがポルトガル語なんだけど、そのほかの国はスペイン語が使われてるんだよね。だから、中南米を旅してると自然とスペイン語が身についてくるの。せっかくのチャンスだからスペイン語を習おうと思って、旅の途中で何度かスペイン語を勉強したんだよね。

最初は2003年の正月にグアテマラのアンティグアでマンツーマンで1週間のコースに入って勉強したの。その時はかなり気合を入れて勉強したんだよね。現地の先生とのマンツーマンだったから、俺のやりたい勉強をする事が出来たの。俺が当たった先生は俺が習いたいだろうと思う事を読み取って、それを教えてくれたの。その時の俺は、コミュニケーションを取るために一番重要なのは動詞だと思ってたから、動詞を集中的に教えてもらう事ができたの。

それから3ヵ月後ぐらいにアルゼンチンのブエノスアイレスでも勉強をしたんだよね。その他にも旅の最中に長期滞在した場所で現地人を掴まえてスペイン語を教えてもらったり、自分で単語を勉強したりして、スペイン語を勉強したの。中南米の各地でスペイン語を教えてもらってると、地方によって発音が微妙に違ったりするの。そして、スペイン語には「エスパニョール」と「カスティリャーノ」があるってことが判ったの。どちらもスペイン語なんだけど、微妙に文法が違っていたり発音が違っていたりするんだよね。俺には同じ言語の方言みたいなもんだと感じるんだけど、実際に現地に住んでる人たちにとっては「エスパニョール」と「カスティリャーノ」は別の言語だという感覚を持ってるみたいなの。

俺が習ったスペイン語は「エスパニョール」と「カスティリャーノ」がごちゃ混ぜになっているの。最初にグアテマラの学校で習ったのは「エスパニョール」だったんだけど、その時は「エスパニョール」も「カスティリャーノ」もあまり重要な違いは無いと思ってたから、あまり気にしなかったんだよね。でも、そのうちに「エスパニョール」と「カスティリャーノ」はかなり違うってことが判るようになってきたの。

2003年の5月にボリビアのスクレに滞在している時に同じ宿に泊まっていた5歳の女の子に最終的な発音を教えてもらう事ができたの。その彼女が話していたのは「カスティリャーノ」だったから俺のスペイン語も必然的に「カスティリャーノ」の発音になってしまったみたいなの。しかも、ボリビア訛りのある「カスティリャーノ」。

5歳の彼女の発音の教え方はとても厳しく、俺が何度練習してもダメ出しをしてくれるんだよね。妥協は一切許されず、スパルタでみっちりと教えてくれたの。俺は5歳の先生の口真似をして、同じような発音が出来るように努力するんだけどなかなか上手く発音が出来てないようなんだよね。俺には同じ発音に感じるんだけど、彼女には俺の発音はまったく違う発音に聞こえるらしいの。10分ぐらいのマンツーマンの発音授業の結果、ようやく5歳の先生から合格点をもらうことが出来たの。いい加減に、5歳の先生も飽きてきているみたいだったけどさ。

中南米にいる間は日常的にスペイン語を話していたから、どんどんスペイン語が上達していたのだけれど、中南米を離れてからはスペイン語を話す機会がなかなかないから、どんどんスペイン語を忘れていってしまうよ。

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