マリポーサ

1980年代に流行した漫画で「キン肉マン」と言う漫画があったんだよね。その中に「キン肉マンマリポーサ」と言う敵役が出てきたの。当時はマリポーサと言う意味が判らなかったんだけど、意外なところで「キン肉マンマリポーサ」の謎が解けたのさ。

2003年の5月にボリビアに行った時に仲良くなった現地の人と話してると蝶々が飛んできたの。そして、蝶々を指差して「マリポーサ」だよと教えてくれたの。「マリポーサ」とはスペイン語で蝶々の事。そのときは「マリポーサ」と聞いても、どこかで聞いた事がある言葉だなと言う感じしかしなかったんだけど、その「マリポーサ」が頭から離れなかったんだよね。そして、「マリポーサ」のことを考えているうちに「キン肉マンマリポーサ」に行きついたの。「マリポーサ」の意味が蝶々だと解った上で「キン肉マンマリポーサ」を思い返してみると、「キン肉マンマリポーサ」の格好は蝶々のような感じに描かれていたんだよね。当時の俺はそんな事は微塵も感じなかったけどさ。

ボリビアを旅しているときは1人だったから、夜になるとどうでも良いようなことを考えてしまうことが多くなるんだよね。だから、「キン肉マンマリポーサ」について色々と思い出してみたの。この「キン肉マンマリポーサ」と言う敵役キャラクターには同じような敵役が他にも4人いたんだよね。残りの4人のうち、「キン肉マンゼブラ」、「キン肉マンスーパーフェニックス」、「キン肉マンソルジャー」の3人までは思い出せたんだけど、あと1人の名前がなかなか思い出せないの。

最後の1人はすぐに名前が思い出せなくても、そのうちに思い出すだろうと思っていたんだけど、なかなか思い出す事が出来ないんだよね。そうなってくると、なんだかスッキリしなくて、どうしても思い出したくなってしまったの。でも、俺が今旅しているところは南米なんだよね。だから「キン肉マンマリポーサ」の事を誰に聞いても解るわけがないの。こんなところにまで「キン肉マン」と言う漫画が知れ渡ってるはずがないでしょ。「ドラゴンボール」や「ピカチュウ」は南米でも有名だけどさ。

だから、それから先は日本人バックパッカーに会ったら、「キン肉マンマリポーサ」の事を知っているか聞いてみようと思いながら旅を続ける事にしたの。だけど、そうと決めてからは「キン肉マンマリポーサ」を知っている人どころか、日本人にも会わなくなったんだよね。欧米人のバックパッカーと一緒になることはあっても、日本人は誰一人見かけなくなったの。

そんなもやもやを抱えながら1ヶ月以上旅を続けて、ようやく「キン肉マンマリポーサ」の謎が解決する日がやってきたんだよね。ボリビア、チリを旅してアルゼンチンのブエノスアイレスの日本人が経営している宿に戻ってきて、そこで「キン肉マンマリポーサ」の話を聞いてみたら、その中に知っている人が1人だけいて教えてくれたの。

最後の敵役の名前は「キン肉マンビックボディー」。その答えで1ヶ月以上も、ずっとモヤモヤしていた気持ちをやっとスッキリさせる事ができたの。そのあとは2人で「キン肉マン」談義に花を咲かせちゃったんだよね。

まさか子供のころに意味も判らずに見ていた「キン肉マンマリポーサ」には蝶々と言う意味があり、「キン肉マンビックボディー」の名前が思い出せずに、こんなくだらないことで1ヶ月以上もモヤモヤしながら旅をする事になって、そのモヤモヤが解決したときにはこんなに気持ちがスッキリするなんて、子供の頃の思い出の影響力は凄いんだなと思ったよ。

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