ワットプー観光

2004年5月に行ったワットプー観光のご紹介。

ワットプーはラオス南部のチャンパサックにある遺跡となった寺院だ。コーン島でリゾートを楽しんだ後はワットプーを観光するためにチャンパサックに向かった。チャンパサックは幹線道路からだとメコン川の対岸にあるため、渡し舟でメコン川を渡らなくてはならない。船着場はチャンパサックの村の近郊にあるので、交通の便が悪いわけではない。天気がよければ問題なくメコン川を渡る事ができるようだ。

5月3日の昼過ぎにチャンパサックの船着場に到着した。渡し舟といっても車が5台ぐらい乗ることが出来る巨大なイカダのような船だ。俺が乗った渡し舟には俺以外にもバックパッカーが乗っていた。彼らの目的もワットプーだろう。渡し舟を降りてから行く方向などが一緒だったので、なんとなく彼らと一緒に行動することになった。

とりあえずは宿を探すためにチャンパサックの村の中心に向かいながら歩く。歩いている途中でトラックに乗った現地のおじさんに声をかけられた。今から宿を探していると説明すると、良い宿があるからそこまで乗せてやるという。歩くと大変だというのでおじさんのトラックの荷台に乗って宿まで連れて行ってもらうことにした。宿に到着してみると、おじさんは宿の人だったので思わず笑ってしまった。金額的にも設備的にも悪い宿ではなさそうだったので、この宿に宿泊することに決定した。

昼飯を食べて2時ぐらいからワットプーに行く。ワットプーはトゥクトゥクで10分ぐらいの距離にあるらしい。チャンパサックに来る途中に同じ渡し舟で来た人たちとトゥクトゥクをシェアして一緒に行く事にした。トゥクトゥクはすぐにチャンパサックの村を抜けた。視界が開けて辺り一面緑が広がった。正面に丘があり、その丘自体がワットプーになっているらしい。丘の麓から中腹まで登る事ができそうな階段が見えてきた。トゥクトゥクに乗っている途中で雨が降ってきたかと思ったがすぐに止んだ。

ワットプーの駐車場でトゥクトゥクを降りて歩き始めた。正面の階段を登る。階段を登りながら振り返ると、景色が素晴らしい。頂上まで登り終えてから振り返ってみると期待通りの景色が眼下に広がっていた。右手にメコン川の流れがあり、中央には今登ってきた階段と道が伸びている。景色を妨害するものが何も無いので遠くまで緑が見渡せる。素晴らしい景色だ。

丘の上にあるワットプーは木が生い茂っている。木陰になっているのでそれほど暑くない中を観光できるので嬉しい。ワットプーは長い間放置されていたようで遺跡となっていた。ワットプーの本殿を散策していると年月の流れを感じる事が出来てとても気持ちよい。本殿の端の方にはワニとゾウの遺跡がある。これも期待以上の感激だった。本殿からさらに上っていく道があるようだったが、道が崩れていて、危険そうなので途中で止めた。

ワットプーの遺跡を満喫している途中で坊さんが話しかけてきた。外国人に興味があるようで、どこから来たのかなど質問された。それから、坊さんは遺跡の説明などもしてくれた。お互いにつたない英語だったのだが、ワットプーの説明の半分ぐらいは理解することが出来たと思う。坊さんのおかげでさらにワットプーの観光を楽しむ事が出来た。

ワットプーから戻ってきてチャンパサックの村を歩いてみたがほとんど何もない村だ。すぐに村をまわる事が出来てしまったので宿に戻ってきた。宿のテラスにハンモックがあったのでハンモックに揺られて本を読むことにした。メコン川沿いのテラスだったのでとても気持ち良く本を読むことが出来た。

夕食は一緒にワットプーに行ったメンバーと食べに行くことにした。チャンパサックの村には選ぶほどの食堂もないので、必然的に食べるところは決まってしまった。

5月4日の朝に一緒にワットプーを観光したメンバーは出発した。旅人にはそれぞれのスピードやスタイルがあるので、出会いや別れは日常の出来事だ。俺はもう1泊この村で過ごそうと考えていたので旅の時間を共有した友人を宿の前まで見送った。バックパックを背負ってトゥクトゥクに乗った彼らは明日の自分の姿となる。短い間だったが素敵な時間を過ごす事ができた。

彼らを見送った後、俺は午前中の涼しいうちに活動を始める事にした。今日の目標は両替だ。明日にはラオスを出国する予定なので両替する金額が難しい。少なすぎるともう一度両替しなければならないし、多すぎては出国するまでに使い切れずに余ってしまう可能性がある。金額は慎重に考えなければならない。宿代や食費や交通費など今後の予定を計算して7ドルだけ両替する事にした。チャンパサックの村にも銀行はあるようで両替をしてもらうことが出来た。田舎なのでちょっとレートが悪かったが仕方がない。

午後からは昨日と同じようにハンモックに揺られて本を読んだ。久しぶりのハンモックは気持ち良くて本を読んでいるうちにいつの間にか寝てしまった。

5月5日は移動日だ。今日は国境を越えてタイに向かう。8時には宿を出発する。チャンパサックに来た時と同じように渡し舟でメコン川を渡って、そのままパクセまで行く。太陽がギラギラと輝いていて今日も暑くなりそうだ。

パクセのバスターミナルで国境行きのバスを探していると知らない現地の青年が話しかけてきた。よく見るとワットプーで一緒に話をした坊さんだった。袈裟を着ていなかったのでちょっと判らなかったがすぐに思い出した。彼はこれからラオスの首都のビエンチャンに向かうらしい。俺がタイとの国境に行くバスを探していると説明すると、国境に行くバスやバスを降りてからの事などいろいろと説明してくれた。とてもありがたかった。ビエンチャン行きのバスが出発する時間になったので、坊さんはそれに乗って行ってしまった。坊さんを見送ってから国境行きのバスが出発するまで食事などをして時間をつぶした。

国境行きのバスはパクセを11時ぐらいに出発した。パクセの街中でも乗客を拾いつつ、国境に向かった。12時半には国境に到着し、ラオスを出国してタイに入国した。これで北から南へと駆け足で周ったラオス観光が終了した。親切で人懐っこい人達がたくさんいたラオスはまたいつか訪れたい。

<<6大陸めぐりの旅に戻る