タイ北部ツアー

2004年4月にレンタカーを借りて行ったミャンマーやタイ北部観光のご紹介。

4月18日は朝早く起きて菊代(仮名)ちゃんたちと一緒にミャンマーツアーに行く。タイのビザは1ヶ月で切れてしまうので、タイに滞在してる菊代ちゃんは1カ月ごとに海外に出国しなくてはならないのだ。そこでチェンマイから一番近い国境のメーサイに行きミャンマーに日帰り出国してビザを更新するのだ。

ミャンマーまでの移動手段はレンタカーだ。菊代ちゃんが前日に予約してくれていたレンタカーは30分ほど遅れてやってきた。今日の予定は盛りだくさんのツアーになりそうなので、レンタカーが到着しだいすぐに出発する。ミャンマーまでは比較的綺麗に舗装されている走りやすい道を軽快に走る。今回のレンタカーは少しスピードを出すとハンドルがグラグラする。そこがちょっと不安だが気にしない。久しぶりの運転は楽しい。

午前中はひたすら車を走らせてメーサイに到着した。メーサイはタイとミャンマーの国境の街で川の向こうがミャンマーだ。駐車場を探して車を停めて、タイを出国する。国境には橋が架かっているので橋を歩いてわたって、ミャンマーに入国した。

ミャンマーに入国してから遅い昼食を食べる事にした。ずっと車を運転していたので、かなり腹が減っている。国境の橋の近くの食堂に入って、適当に注文をする。腹が減っているので何を食べても美味しい。空腹を満たすまでは食事に集中する。空腹がある程度満たされると気持ちに余裕が出てきた。何気なく食堂の中を見渡すとミャンマー文字のメニューが壁に書かれていた。

ミャンマー文字は丸っこい文字で可愛い形をしている。意味は全然わからないのだが、その文字の中で人形みたいな形の文字を見つけた。ミャンマー文字を知らない我々には文字というよりも絵のような感覚だ。見ているだけでも不思議な感じがして面白い。しかも、その人形みたいな文字はいたるところに書かれている。壁に書かれているメニューの至る所に人形みたいな文字が散りばめられている。その事も面白く感じてみんなで盛り上がり大笑いした。隣のテーブルで食事をしている人に人形みたいな文字の発音を聞いてみると、モーと言うらしい。人形みたいな形なのにモーと言うらしく、みんなでモー、モー言いながら、さらに笑いがこみ上げてきた。変な意味だったら困るので人形みたいな文字の意味を聞いてみるとキノコなのだという。その事も可笑しく感じてしまう。小さな食堂は我々の大笑いで不思議な雰囲気になった。

ミャンマーの食堂に入ってきた外国人が壁に張ってあるメニューのキノコを見て笑っているのだ。従業員やその他のミャンマー人にとってはおかしな風景だと言う事は間違いないだろう。もし、日本の食堂で壁のメニューを指差しながら笑っている外国人がいたら不思議に思うだろう。それと同じ事をしていると思うと、さらに笑いがこみ上げてくる。ミャンマー人からするとキノコとキノコと騒ぎながら笑っている外国人が食事をしているのだから不可解だろう。

ミャンマーに入国して、たまたま入った食堂のキノコというメニューで十分に楽しむ事ができた。初めてのミャンマー文字との出会いはとても楽しい体験になった。それだけでもミャンマーに来た価値があったと感じながら食堂から出てきた。

食堂を出てからは市場を散策する。ごちゃごちゃとしていて活気があって面白そうな市場だ。いろいろなものを物色しながら市場の雰囲気を楽しむ。ミャンマーのごちゃごちゃとした市場とバンコクの洗練された市場を比べるとタイは先進国なんだなと感じてしまった。市場はごちゃごちゃとしている方が面白みを感じる。

市場を散策しているうちに夕方になってきたのであわててタイに戻ることにした。ミャンマー入国のあとも予定がたくさん詰まっているので急がなくてはならない。

メーサイのあとにゴールデントライアングルに行く。ここはタイとミャンマーとラオスの国境地帯なのだそうだ。メコン川が国境線になっていて3つの国を見ることが出来るのだ。ちょっとした観光地になっているようで土産物屋や食べ物やが狭いところにびっしりと並んでいる。駐車場を探して適当な場所を発見して車を停める。見晴らしの良さそうな場所を探していたら駐車場の近くに寺があった。階段を登っていくと頂上が寺の境内になっている。そこからゴールデントライアングルを一望することが出来た。展望台のようになっていて眺めが良い。寺の裏の方には日本人戦没者の碑があったのには驚いた。

寺を後にして川岸の方に行く。メコン川には木製の橋がかかっていて、メコン川の中洲に渡ることができるようになってる。タイ人の家族連れがたくさんいて楽しそうに遊んでいた。

ゴールデントライアングルのあとはチェンセンに向かった。すでに夕方だったのでちょっと急いでチェンセンまで車を走らせた。チェンセンではお祭りをやっていた様だったが、我々が到着した時にはすでに祭りが終了した感じだった。それでもキックボクシングの試合をやっていたのでちょっとだけ見学した。チェンセンの街の観光はキックボクシングと車窓からの見学だけになってしまったが時間が無いので仕方がない。

チェンセンの後にチェンライに行く。チェンライで菊代ちゃんとお別れする。菊代ちゃんとの久しぶりの再会はとても楽しく懐かしかった。イエメンを旅していた頃とほとんど代わりの無い菊代ちゃんと再会できて良かった。チェンライで最後に夕食を食べてお別れした。菊代ちゃんはこれからチェンマイまで戻るのだ。安全運転で無事にチェンマイまで帰る事を祈った。

4月19日の朝はのんびりと11時ぐらいからチェンライの街を観光する。食事を食べてからワットプラケオの見学をする。ワットプラケオはエメラルド仏がいるチェンライの大きなお寺だ。バンコクにもエメラルド寺院の中にエメラルド仏があるのだが、バンコクのエメラルド仏は元々この寺にあった物なのだそうだ。権力争いの繰り返しに巻き込まれ、いろいろな場所を転々としたエメラルド仏はバンコクのエメラルド寺院に落ち着いた。そして、最初にエメラルド仏が発見されたチェンライのワットプラケオには新しいエメラルド仏が最近になって安置されたのだという。バンコクのエメラルド仏よりも間近で見る事が出来て嬉しい。

ワットプラケオを見学した後はバザールをウロウロと見学するがなんとなく面白みが無い。そのまま歩いて国王の像を見に行ったり、チェンライの街をうろついてみた。

夕食はバザールでいろいろなものを食べ歩いているうちにお腹がいっぱいになった。宿に戻る途中にある寺で出家する人たちの儀式らしきものをやっていた。みんなでバリカンで頭を丸めていた。

4月20日の朝は10時半にはパッキングを終わらせて宿をチェックアウトする。今日はタイとラオスの国境の町のチェンコーンに向かうのだ。チェンライの市街地を過ぎるとバスは田舎道をのんびりと走っていく。バスの乗客も少ないので、ゆったりとしながらバスの旅を楽しむ事が出来た。

女性の車掌に運賃を支払ったが、同じ場所に行く現地人の青年が支払った運賃と俺が請求された運賃が明らかに違う。おかしいと思って講義したが、車掌の女性も一緒に乗っていた青年も苦笑いを浮かべながら、決まり悪そうに否定する。現地人料金と外国人料金があるらしく、車掌のチップとしてぼったくられているわけではなさそうだ。俺に渡されたチケットにも運賃がちゃんと書いてあった。彼らの苦笑いになんとなく怒りが収まってしまい、外国人料金を支払った。

バスは2時間ぐらいでチェンコーンに到着した。チェンコーンは国境沿いのとても小さな村だ。メコン川の流れが見える宿にチェックインする。宿で少しのんびりした後にラオスに行く渡し舟がある港に行く。明日はラオスに出国するのでその下調べのために港を見学するのだ。国境の港だというのにのんびりムードが漂っている。入国管理官もやる気がなさそうだ。しばらくメコン川の流れを眺めていると、太陽が沈まないうちから近所のおばちゃんたちが川岸に集まってきて酒盛りが開始された。歌ったり笑ったりして面白そうだった。チェンコーンでは特に観光するようなところも無く、のんびりとメコン川を眺めながら本を読んだりして過ごす。夜は雷が響いて豪雨が降ってきた。夜の雷はなんとなくワクワクしてしまう。

4月21日は9時半にパッキングを終わらせて港に向かう。昨日はやる気がなくのんびりしていた国境だが、午前中は渡し舟が出るので活気がある。昨日のチェンコーンの街ではほとんど見当たらなかった欧米人のバックパッカーが出国の列を作っていた。彼らは今までどこに滞在していたのだろうと不思議に思った。出国スタンプをパスポートに押してもらってタイを出国する。渡し舟に乗って対岸に見えるラオスのフェイサイに向かった。

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