プノンペン観光

2004年3月に行ったプノンペンのご紹介。

3月30日の早朝にバスに乗りアンコールワットのあるシェムリアップからカンボジアの首都のプノンペンに行く。本来はアンコールワットの観光が終了したらタイに戻る予定だったが、せっかくカンボジアに来たのだから首都のプノンペンぐらいは観光しておくことにした。朝7時過ぎにシェムリアップを出発したバスは途中で休憩を2回ほど取ったが、それ以外はずっと走り続けている。1日中バスに揺られてお尻が痛くなってきた。ようやくプノンペンに到着したのは午後3時ぐらいだった。

プノンペンに到着たあとは宿を決めてすぐに観光をする。最初はトゥールスレン博物館を観光する事にした。トゥールスレン博物館はカンボジアの内戦で使用された強制収容所をそのまま博物館に改装してあるだけの建物だった。この強制収容所はたくさんの国民が内戦の混乱によって大量虐殺された場所で、殺された人たちの写真が壁一面に展示してある。死ぬ前に処刑した事の証拠や記録として撮られた写真がこのように展示してあった。処刑された人たちの写真と独房として使われていた建物だけが、無言で当時の残酷さを現代に伝えている。写真と建物しかないトゥールスレン博物館だったが伝えているものの意味は大きいと思う。

3月31日は午前中からプノンペン観光を開始する。近所の屋台で食事を食べて王宮観光から始めることにした。王宮に行ってみるとちょうど休憩時間になったようで中に入れてくれない。2時になったら午後の観光時間が始まるらしいのでその時にもう一度出直すことにした。

王宮の少し先にワットプノンがあるのでそこに行く。王宮からワットプノンまではメコン川を見ながら歩いていく。メコン川の川岸は公園のようになって整備されているが掃除がされていようでかなり汚れている。公園を歩いて、ちょっと街中をウロチョロしながらワットプノンを目指して歩く。市内観光もかねてウロウロと歩いている途中でワットオウナロンという寺を見つけたので入ってみた。観光地図にも載ってない寺だったが職員らしきおじさんが鍵を開けて中に入れてくれた。中には仏像が数体あったが、小さなお寺で観光用に整備されている訳ではなさそうだ。おじさんは英語も日本語も話せない。それでもクメール語と日本語で異文化交流を楽しむことが出来た。

思わぬ異文化交流を楽しんだ後はワットプノンに向かった。ワットプノンは丘の上にある。午前中から歩き続けていたのでワットプノンの丘を登るの頃にはかなり疲れてしまった。アンコールワットでも同じだったが、炎天下の中を1日中歩き回るとそれだけで体力を消耗してしまうらしい。ワットプノンでは休憩を取りながら、内部を見学する。ワットプノンの中には仏像が何体か安置されていたが、特にインパクトの強いものはなかった。休憩をして体力回復をする事が主要な目的となってしまったが、平穏にワットプノン観光を終了した。

ワットプノンの近くに鉄道駅があったので鉄道駅を見学した。首都の巨大な駅のはずなのだが、列車の発着時間ではなかったので、鉄道駅は閑散としていた。鉄道駅のあとはセントラルマーケットに行った。屋内型のマーケットで食料品から日用雑貨や電化製品や車の部品までいろんなものが売っている。食料品を見ていると生春巻きが売っていたので今日の昼食は生春巻きに決定した。本場の生春巻きは美味しい。全体的な物価はバンコクよりも安いので多量の買い物をしてしまおうかと思ったが持ち帰るのが大変だと持ったのでやめた。

セントラルマーケットでいろんな物を物色しているうちに2時になった。2時からは王宮の観光が出来るのでそちらに向かった。セントラルマーケットから王宮までの道は午前中に歩いているので把握している。王宮の手前には博物館があるので博物館に寄ってから王宮に行くことにした。博物館は結構広いがほとんどの展示品が仏像なのでインパクトが薄い。なんとなく物足りないまま博物館を出て午前中から楽しみにしていた王宮に向かった。

王宮には王様と先代と先々代の玉座があった。それ以外には特に主要な展示物がなく、なんとなく拍子抜けしてしまった。入場料が安いので対価に見合った展示物だと思えば納得がいくが、それにしてもちょっと物足りない感じがした。プノンペン観光のメインだと思っていた博物館と王宮の観光は思っていたよりもあっさりと終えてしまった。

博物館と王宮を見学したあとにシルバーパゴダを見学した。シルバーパゴダは大きな寺院だ。回廊があり、回廊の壁一面にレリーフが描かれている。そして、その中心には大きな寺院が建っている。寺院の中にはタイのバンコクにあるエメラルド仏のような仏像が安置されていた。その他にも金や銀の仏像がたくさんあって見ごたえがある。感激だ。博物館と王宮を見学した後で、シルバーパゴダにも大きな期待はしていなかったので、余計に楽しむことが出来た。博物館と王宮で受けた物足りなさを補ってくれる内容の展示物だった。

シルバーパゴダ見学のあとは西日の中を宿に戻った。今日はプノンペン市内を1日歩き回ったので疲れてしまった。夕方に宿に戻ってから少しだけ休もうと思ったら、9時まで寝てしまった。お腹が空いたので夜のプノンペン市内を徘徊すると宿の近くの駐車場が屋台村のようになってたくさんの人で賑わっていた。そこで夕食を食べて宿に戻った。夜遅くなっているので治安が少し心配だったが、ある程度の警戒をしていれば夜も安全に歩き回ることができそうな雰囲気だった。

次の日は1日中バスに乗ってシェムリアップに戻る。そして、その次の日はシェムリアップからバンコクまで移動する予定だ。これから少しハードな移動が続きそうなのでゆっくりと休むことにする。

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