タイの島のリゾート

2004年3月に行ったタイの島のリゾートをご紹介。

3月11日の夜行バスに乗ってバンコクを出発した。夜行バスのクーラーが効き過ぎて少し寒い。バスは12日の朝5時前にチュンポンの港に到着した。外はまだ暗い。目的地のタオ島に向かう船はここから出ているのだ。1時間半ほど待たされて、空が明るくなり始めた頃に船は出発した。船酔の予防のために寝ているうちにタオ島に到着した。

タオ島ではバンコクで一緒だったマリエ(仮名)さんが港に迎えに来てくれていたので、彼女が泊まっているバンガローに連れて行ってもらう。港から小さな船に乗って、彼女の泊まっているバンガローに向かった。バンガローまでは道が通じていないので船でなければ行けないらしいのだ。

 小さいけれど貸切のビーチでのリゾート生活が始まった。バンガローの部屋は一つ一つが独立していてプライベートのゆったりとした時間を楽しむ事ができる。窓からは広大な海が見えて最高の景色だ。久々の海に、はしゃいでしまう。夜はロウソクの炎星の光だけが綺麗に輝いている。ロウソクの炎を眺めているうちに、いつの間にか夜の大半が過ぎ去ってしまった。ロウソクで遊んでいると時間があっという間に過ぎてしまう。

13日も14日ものんびりと島の生活を楽しむ。バンガローには見晴らしの良いレストランが併設されており、そこから海を眺める事もできるし、のんびりと読書を楽しむ事もできる。レストランからバンガローに行く途中のビーチで海と戯れる事もできるし、リゾートを楽しむには最高の環境だ。

タオ島のバンガローでのんびりとリゾートライフを楽しんでいるとあっという間に時間が過ぎてしまうので、意を決して15日の朝にバンガローを出発する。バンガローから船でタオ島の中心部まで送ってもらった。タオ島ではバンガローのリゾートライフしか体験していないので、タオ島の中心部でも1泊する事にした。そうと決まったらすぐに宿を探す。

宿を決めたらすぐにタオ島の中心部を散策しようと思ったが南国の日差しがとても暑い。なので少し昼寝をして、気温が涼しくなった夕方から散策する事にした。タオ島の中心部はダイビングショップばかりで、歩いていてもあまり面白くない。そして、歩いているのは働いている現地人西洋人の観光客ばかりだ。予想していた事ではあるがタイのリゾートは西洋人のための観光地になっている。

3月16日の朝はタオ島から出る船に乗るために早く起きた。宿のチェックアウトを済ませて港に向かうが船はまだ来ていないようだった。船が港に到着するとリゾートを満喫した西洋人の観光客たちが一斉に船に乗りむ。俺も乗り遅れないように彼らと一緒に船に乗り込んだ。

船は順調に次の島であるパンガン島を目指して進む。天気が良いので俺はデッキでのんびりと船旅を楽しんでいたが、途中で気持ち悪くなってきた。船酔いをしてしまったようだ。船酔いをしたときには寝るのが一番なので船室に入ってしばらく寝る事にした。お昼ぐらいにはパンガン島の港に着くようだ。

パンガン島の港では宿の客引き達がたくさん待ち構え、船から降りた西洋人観光客達を自分の宿に連れて行こうと声をかけてきた。世界中のどこの観光地に行っても見る事のできる観光客と客引きの戦いが始まったのだ。俺は客引きの品定めをするために、客引き達と少し距離をとりながら話を聞いた。どの客引きも同じような条件を提示している。俺が迷っているうちに観光客の数も客引きの数も減ってきた。観光客と客引きの交渉が順調に成立している証拠だろう。俺はなんとなく取り残されそうな感じがしてきたので、一番条件の良いと思われる客引きの宿に決めた。

観光客達は客引きの中から選りすぐり、自分たちの希望の条件に近い客引きに付いて行く。俺も例外ではない。俺が選んだ客引きの宿までは少し距離があるということなので、ピックアップトラックに乗って宿に向かう。宿の目の前にはビーチが広がっていて素適な宿だ。西洋人が好みそうな雰囲気をかもし出しているので悪い感じはしない。

シャワーを浴びた後に海岸を歩きながら港まで行ってみることにした。港までは車で10分ぐらいの距離なのでのんびりと歩いていっても30分ぐらいで到着するだろう。ビーチには誰もいない。砂浜が広がっていて海は遠浅で綺麗に輝いている。シャワーを浴びてクールダウンした俺は午後の強い日差しを受けながらビーチを歩いて港に向かう。

気持ちよく砂浜を歩いていると、途中で全裸の西洋人女性に出会った。彼女は太極拳のようなストレッチのような事をして体を動かしながら気を集中しているようだった。俺は驚いたが、彼女は何事もないように普通に挨拶をしてきたので、俺も彼女に挨拶を返した。衝撃的な出会いだったが、彼女にとっては普通の事のようなのだ。驚きつつも俺はそのまま、港を目指して砂浜を歩き続けた。

港の近辺でお菓子や飲み物などを買う。港の周りは賑わっているが、タオ島と同じようにダイビングショップが多いために、あまり面白いとは感じなかった。帰りも同じようにビーチ沿いを歩いて宿まで戻った。全裸の彼女は同じ場所で全裸のままでいた。今度は休憩をしているのか瞑想をしているのかよく判らないが、眼を閉じて砂の上に寝そべったまま動く気配がみられなかった。

3月17日は8時ごろに起きてパッキングを済ませて宿をチェックアウトして港に向かう。パンガン島を出るのだ。港に船が入ってくるのはお昼ごろなのでそれまでは港の近辺を散策しながら、ちょっと早い昼飯も食べる。船は定刻どおりに12時に出発した。船内のクーラーが強すぎて寒いのでデッキで潮風と太陽を浴びながら暖かい南国を満喫する。船はサムイ島を経由して本土の港のスラタニに到着した。

スラタニの港からは迎えに来たバスに乗ってクラビに向かう。フェリーから降りた観光客は自分達の目的地ごとに指示されたバスに誘導される。流れ作業のように観光客達はそれぞれの目的地ごとにバスに振り分けられて乗り込む。俺はクラビ行きのバスに乗り込んで出発を待つ。しばらく待たされた後にバスは出発した。バスから眺めた夕焼けがとても綺麗だった。このバスで太平洋側の南シナ海からインド洋側のアンダマン海に移動する。

クラビのバスターミナルに到着したのは8時頃だった。バスターミナルには宿の客引きがたくさん来ていたので、その中からよさそうな客引きの車に乗ってバスターミナルを出発する。ミニトラックに乗り、10分ぐらいで海岸に到着した。そこからは船に乗るという。なんだか怪しい雰囲気を感じる。夜で暗いし何処の海岸に連れて来られたのかも判らない。さらに、このまま船に乗ってしまうと本格的に何処に連れて行かれるのか判らなくなるので不安だ。それでも、客引きに誘導されるままに小さな船に乗って海に出た。海岸線に沿いながら2分ぐらい船に乗っていると宿に到着した。

船に乗せられた時に感じただまされるのではないかと不安だったが杞憂だったようだ。部屋も悪くないし、他にも連泊していそうな客がのんびりとくつろいでいたので悪徳な業者ではないだろう。

3月18日は10時ごろから動き出し、この近辺の情報収集から開始する。宿の目の前には海が広がっているが、それ以外には何も無い。昨日到着した時には暗くて判らなかったが、この宿から幹線道路に行くためには川を渡らなくてはならないようだ。川には橋がないため、宿の従業員が船を運転してお客さんや物品を運んでいるようなのだ。

宿の船に乗って川を渡ったると道路や駐車場があり、小さな観光案内所のような建物まであり賑わっていた。道路は海岸線と並行するように走っている。その海岸線はノッパラッタビーチと言うらしく、遠浅の砂浜が続いている。周りにはたくさんの屋台なども出ており、海岸線から道路を挟んだ向こう側にはツアー会社などがある。

観光案内所で情報を集めたり、食事を楽しんだり、海岸線を歩いたりしているうちに引き潮の時間が来たいみたいだ。すぐ近くだった波打ち際が、いつの間にか後退していた。そのうちに沖に見えていた島と陸続きになってしまった。現地の観光客達が歩いて島に渡っているので、俺も行ってみる事にした。こんなにも潮が引いてしまうのには驚いた。

3月19日は早く起きてツアーに出かける。ツアー客は10人もいない。同じ宿に泊まっている観光客で貸切の状態だ。我々の船は小さなモーターボートなので、高波を受けると危険な感じがしてちょっと不安だ。そんな俺の不安など吹き飛ばすようにモーターボートは順調に目的地を目指して進んでいった。ツアー客はモーターボートの中で小さく固まってほとんど身動きしない。そうしているうちに最初の目的にのチキン島に到着した。

このチキン島ではシュノーケリングを楽しんだ。近くの島は岸壁が絶壁になって海から突き出していて、南極の氷山を思い出した。シュノーケリングを30分ぐらい楽しんでいたが、その間にクラゲに刺されたようでなんだか痒い。

チキン島で楽しんだ後はすぐ近くにあるタップ島に行く。タップ島でものんびりとシュノーケリングを楽しむ。チキン島とタップ島は近くにあり、引き潮になると砂浜を歩いて渡れるようになるという。しかし、今は腰ぐらいの深さがあるので歩いて渡るには少し難しい。残念だ。最後はポダ島に行ってシュノーケリングをしたりビーチで本を読んだりしてのんびりとしたビーチリゾートを楽しんだ。

今日はちょっと曇っていたが穏やかで綺麗な海を十分に満喫する事ができた。曇っているからと油断していてもかなりの量の紫外線を浴びていたようで、すっかり日焼けしてしまった。帰りは波が高くなり海が荒れてきているようだった。ツアーが終了して宿に戻ってきたのは4時ごろだった。

3月20日の朝にクラビの宿をチェックアウトしてピピ島に向かう。ピピ島に向かう船は外洋でも安全に航海できそうな大きさの船なので安心だ。たくさんの観光客を乗せて出発する。船内で半分眠りながらまどろんでいると、途中でが降ってきた。せっかくピピ島でのリゾートを楽しもうとしているのに嫌な感じだ。ピピ島に到着する前に晴れて欲しいと思う。

ピピ島に到着したのは午後3時ごろだった。そして、途中で降っていた雨はやんで太陽が顔を出してきた。こんな所でも俺の晴れ男パワーが発揮された。早速、宿を探すがどの宿も本土よりも値段が高いのでビックリした。ちゃんと観察してみると食事など全ての物の値段が高い。ピピ島はリゾートアイランドなので物価自体がリゾート価格になっているのだろう。

ピピ島にやってきた目的はダイビングだ。ピピ島にはたくさんのダイビングショップがあり、情報を収集する。中には日本人インストラクターのいるダイビングショップもある。潜るポイントはどのダイビングショップも同じようなので、現地人が経営しているダイビングショップで潜る事にした。

3月21日は久々にダイビングが出来る事になって嬉しい。俺がお願いしたのは小さなダイビングショップなのでフットワークが軽い。待ち時間などなく、船に乗ってダイビングポイントに向かう。ピピレイ島というダイビングポイントで1本目のダイビングをする。久々の海の中はとても気持ちが良い。ダイビングの浮遊感は何ともいえない感覚だ。途中でエイサメを見る事ができて感激した。

1本目のダイビングが終わってから、ピピレイ島に上陸して休憩をする。とても綺麗な島で砂浜も真っ白だ。のんびりと昼飯を食べていると、他のモーターボートもたくさんやってきてダイバー達が上陸してきた。ピピレイ島はダイバー達の昼飯の場所なのだろう。あっという間にたくさんの船でビーチが混雑してきた。

ピピレイ島での休憩もそこそこに2本目のダイビングに向かう。ダイビングの途中で耳抜きが出来なくなり、耳が痛くなってしまった。このまま耳抜きが出来ないままだとダイビングを中止しなければならないかと思ったが、しばらくすると耳抜きが出来るようになったので安心した。2本目のダイビングではを見る事ができ、十分に満足できるダイビングだった。

1時半ごろにダイビングが終了してピピ島に戻ってきた。せっかくなので午後からはピピ島観光をする。船が着く場所とは反対側に遠浅なビーチが広がっている。あまりにも浅すぎて足首ぐらいの深さしかない。ビーチと言うよりも干潟のような感じだ。タイのビーチは潮の満ち引きで表情を変える海岸線が多いみたいだ。

干潟のようなビーチのような海岸を満喫した後はビューポイントに行く。ピピ島の全貌を見渡せる小高い丘に登った。丘の頂上からはビーチの全貌が見渡せた。小さな島にぎっしりと建っているレストランやダイビングショップも一望の下に見渡すことが出来る。午前中のダイビングの疲れも加わり、頂上の巨大な岩の上で下界を見渡してまどろみの中の贅沢な時間を過ごした。

宿に戻って少し休んだ後に夕食を求めてピピ島を散策する。さっきまで海にいたであろう、新鮮なシーフードが美味しそうな香りを出しながら焼かれている。どのレストランも観光客争奪戦をしていた。ピピ島で働いている人は暑い昼間よりも夜の方が活気があるかもしれない。次の日にはピピ島を出発してバンコクに戻らなくてはならないので、あまり遅くならないうちに眠る事にした。明日は移動だけで終わってしまいそうだ。

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