ナミビアの鉄道

2004年1月に乗ったナミビアのウイントフックからツメブまでの夜行列車に乗った時の話のご紹介。

2004年1月13日、パスポートの再発行のためにナミビアの首都のウイントフックに1週間ほど足止めされた末に、ようやくウイントフックを出発する夜行列車に乗ることができた。今回の列車は観光列車ではなく地元の人たちの足として活躍している列車なので、観光客はほとんど乗っていない。俺が乗った車両は3段ベッドの寝台車だ。同じ部屋には黒人の女の子と男の子の姉弟が一緒だ。1番上のお姉さんが17歳で次女が15歳、そして12歳の男の子と末っ子の女の子の兄弟だった。上のお姉さん達は英語を話せるので英語で会話をしてもらう。向こうも俺の事を不思議に思っているみたいだが、彼らとのファーストコンタクトは成功したようだ。今回の列車の旅では友好的な異文化交流が出来そうだ。

列車は出発時刻を15分ほど遅れてウイントフックの駅を出発する。出発してからしばらくすると外はすっかり暗くなった。俺は一緒に列車の旅を過ごす姉弟と話しをしてみる事にした。最初に自己紹介をして話しをするが、お互いに英語が不完全なため、完全に意思疎通が出来ないのがもどかしい。

しかも、1番小さな女の子は何かが面白いらしく、俺の動作ひとつひとつにケラケラと笑っている。そんな可愛らしい異文化交流も久しぶりだ。どうやら、彼らの今回の列車の旅に両親は付いてきていないようだ。姉弟だけで列車の旅をしているらしい。きっと、姉弟だけで親戚の家にでも行くのであろう。

雑談とはいえないような雑談をしているうに時間が夜が更け、小さな子供たちは寝始めた。俺も疲れてきたので眠ろうとするがなかなか寝付けない。それでも、パスポートの再発行が無事に終わった事と旅を再開出来た事を考えながら知らないうちに眠っていた。

列車に揺られているうちに朝になった。朝の空気はどことなくひんやりしている。列車は予定時刻よりも少し遅れてツメブに到着した。俺はここで降りるが1晩一緒だった姉弟達はまだ列車に乗っているのでここでお別れだ。列車の停車時間があまり長くないため慌しく別れを言って列車を降りた。

鉄道駅ではピックアップワゴンが列車の到着を待っていた。そのワゴン以外には駅からの交通手段は見当たらない。どうやら、お迎えの親戚や友人のいない列車の乗客たちに選択の余地無くピックアップワゴンに乗らなければならないようだ。ピックアップワゴンの運転手にジンバブエとの国境に行きたい事を告げると、指示されたワゴンに乗せられ、言われるがままに鉄道駅から連れて行かれた。

鉄道駅から連れて行かれた場所はルンドゥーというところだった。ルンドゥーでジンバブエの国境に行くバスに乗り換えるらく、バスターミナルのようなガソリンスタンドのような場所で降ろされてしまった。ジンバブエに行きそうな長距離トラックが停まっていたので、話しかけてみると国境まで連れて行ってくれるという。

思いがけずに長距離トラックヒッチハイクしてしまい、そのままジンバブエの国境まで快適に行くことができた。その後もレンタカーなどをヒッチハイクしてジンバブエのビクトリアの滝に到着した。アフリカは公共交通網が発達していない地域が多いためヒッチハイクが重要な移動手段となっている場合が少なくない。

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