ウルグアイツアー

2003年8月頃に行ったウルグアイツアーのご紹介。ウルグアイツアーの時の資料は盗まれたのでありません。完全に俺の記憶だけを頼りにして書き起こしているので、事実と違うことがあると思いますが、その辺はご容赦を!!

ブエノスアイレスでどっぷりと沈没中の昼下がり、食堂で社長(仮名)クラタン(仮名)がウルグアイに旅行する話をしていた。そんな中、食べ物を探しに食堂に入っていった俺に向って「レッツゴロー君も良かったら一緒に行く?」と2人は声を掛けてくれた。怠惰な毎日を過ごしていた俺は絶好の機会とばかりに社長とクラタンにウルグアイに連れて行ってもらうことにした。

俺と同じように怠惰な生活をしていた元帥(仮名)を含めた4人でウルグアイ行く事になった。1泊2日のウルグアイツアー御一行が急遽出来上あがり、出発は明日の早朝に決定した。

いつもダラダラしている4人だったがまだ外が暗いうちに起きてウルグアイに出発する。鉄道駅までは路線バスで向う。鉄道駅に到着する頃に外が明るくなってきた。駅ではパンを買って列車に乗り込んだ。列車でブエノスアイレス近郊のティグレという街まで向かう。どっぷりとピクニック気分の4人が乗った列車はブエノスアイレス市民の通勤の足として利用されているらしい。時間もちょうど朝の通勤ラッシュの時間帯だったようでとても混んでいた。それでもティグレが近づいてくるとだんだんと車内は空いてきた。ほとんどの乗客が降りてガラガラで快適な観光列車のようになってきた頃にティグレに到着した。

ティグレはステキな街で雰囲気の良いところだ。駅を出て運河の方に歩いていくとすぐにフェリー乗り場が見つかった。アルゼンチンからウルグアイに向うので国際線のフェリーと言うことになる。パスポートを見せてアルゼンチンの出国手続きを行い船に乗る。国際線の船だとは思えないぐらい小さい船だ。

我々を乗せた国際船はラプタラ河を横断してウルグアイに向う。くねくねと細い入り江をところ狭しと船は進んでいく。窓からは朝日が入ってきて眩しい。ウルグアイに到着すると船に乗っていた乗客たちはウルグアイに入国して、そのままバスに乗せられる。そしてバスはウルグアイの首都のモンテビデオを目指して走って行く。

モンテビデオのバスターミナルで両替をしてモンテビデオの街中に繰り出す。最初にする事はホテルを探す事だ。社長が事前にガイドブックで宿を見つけてくれているので、その宿を目指してチェックイン。休む暇なくモンテビデオ観光に繰り出す。モンテビデオの街は小さくまとまっているので歩いて観光するにはちょうど良い大きさだ。昼ごはんを市場の食堂で食べた後もガンガン観光する。石畳のオシャレな街をひたすら歩いて街中を見てまわる。夜はカジノを見学する。4人とも勇気も資金もやる気も無かったためカジノは見学だけで満足してしまったようだ。

次の日も朝から観光をする。今日の午前中の大きな目的は蚤の市に行く事だ。ガイドブックによると蚤の市は毎週日曜日にやっているらしい。俺と元帥はただの勢いでウルグアイに来た感が否めないが、社長とクラタンがウルグアイに来た目的は蚤の市と言っても過言ではないらしい。蚤の市の日程に合わせてウルグアイツアーの計画を立ててあるのだ。

気合をこめて早起きをして蚤の市に向う。蚤の市をやっている場所は何となくしか判らない。それでも、とにかくガイドブックを信じて行ってみると蚤の市を発見できた。ここで個人行動を取る事にした。かなり活気のある市場でいろんな種類の物が売られていて面白い。1時間ほどグルグルと市場を巡り俺は十分満足できた。程好く疲れてきた頃に4人は再び合流して近くのカフェで朝食をとることにした。朝食を食べた後はタクシーでバスターミナルに向う。首都のモンテビデオは十分に堪能する事ができたのでお昼前にはコロニアに移動する。

コロニアは石畳のコロニアル風の町並みの小さな町だ。昔は貿易港で栄えたのだそうだ。我々は今日の夜の船でブエノスアイレスに戻るので、最初に港に行ってフェリーのチケットを買っておく。帰りのチケットを確保してから観光に向うのだ。

コロニアは完全に観光の街になっているようでおみやげ屋さんが沢山あって、観光客もたくさんいる。博物館も沢山あるので見学できる博物館は見学する。どの博物館もシンプルにまとめられている。思っていたよりも短時間でコロニアの観光に満足してしまった。フェリーの出発時間までにはちょっと早いがフェリー乗り場に向う事にした。

コロニアにいる観光客のほとんどが我々と同じフェリーでブエノスアイレスに向うらしい。大多数の観光客は我々が観光に満足した頃と前後してフェリー乗り場に向いだしてるみたいだ。彼らはいたるところで写真を撮っている。そう言えば我々のウルグアイツアーでは写真を撮る機会がほとんどない。カメラを持って旅をしているのは元帥だけだったのだ。ちょっと珍しいが写真に興味のない人間が3人集まったのだった。

夜の闇に包まれた頃にフェリーはブエノスアイレスに向ってコロニアの港を出発した。ブエノスアイレスに向うフェリーは来る時に乗った船とは違い巨大なフェリーで、免税店やレストランなども併設されている。外の景色は夜なので何も見えない。免税店を見てまわったりのんびりしながら船の中で時間を潰す。

すると社長が免税店でキャビアが置いてあるのを発見した。この中にキャビアを食べたことのある人がいるかどうかを確認してみると誰も食べた事がないので、急遽キャビアを食べるプロジェクトが発動された。しかしここはアルゼンチンとウルグアイを結ぶフェリーの中の免税店だ。通常は免税店で流通いている通貨はUSドルである。それはこのフェリーの中でも例外ではない。もちろんアルゼンチンペソも使うことができるがレートが非常に悪いのだ。みんなで手持ちのUSドルの現金をかき集める。4人の現金が集結し、キャビアの缶詰を買える金額のに達する事ができ、我々4人は高級食材キャビアの缶詰を入手する事に成功した。キャビアはブエノスアイレスの宿に戻っり、旅の無事を祝いながら食べる事にした。

ブエノスアイレスに到着の時間が近づいてくるとブエノスアイレスの夜景も近づいてきた。何も光のない川の上から見るブエノスアイレスの夜景はとても美しい。夜景がこんなに綺麗だったとはブエノスアイレスに数ヶ月滞在していたが気がつかなかった。フェリーが港に近づくに連れて、夜景がどんどんこちらに近づいてくるのだ。ひと塊に見えたビルの群れがゆっくりと確実に近づいてきて、時間と共にビルやネオンがはっきりと判るようになってきた。そして、最終的にはその夜景の中に自分達も取り込まれてしまうのだ。今回のウルグアイツアーの中で一番感激できた風景かもしれない。

フェリーはブエノスアイレスの中心部にある港に到着した。お腹もすいてきたのでアサードと言うアルゼンチン風の焼肉を食べてから宿に帰ることにした。ブエノスアイレスでは有名なアサード屋に入った4人は1泊2日のミニ旅行の感想とキャビアの缶詰に期待を寄せつつ肉を食べて大満足のうちにウルグアイツアーが終了した。

次の日にキャビアの缶詰をみんなで試食してみた。率直な感想はあまり美味しくない。しょっぱいだけである。辞書を持ってきて缶詰に書かれていることをよく読んでみると、チョウザメの卵でなくてもサカナの卵であれば「キャビア」と書いて良いらしいのだ。みんなで一口つづ味見をした以外の大部分が缶詰に入ったまま冷蔵庫の中で眠ることになってしまった。最終的には1週間ぐらい冷蔵庫の中で眠ってもらった後、腐ると困るので俺がパンに付けて全部食べた。息巻いて発動したキャビアを食べるプロジェクトは口の中も心の中も後味の悪い結果になってしまった。

<<6大陸めぐりの旅に戻る