パラナグアの鉄道

2003年4月にブラジルのクリチーバからパラナグアまでの列車に乗った時の話のご紹介。雄大な渓谷の中を走り、素晴らしい景色が楽しめる列車の旅。

1ヶ月ほどのサンパウロの滞在中にクリチーバの鉄道の景色が素晴らしいという話を聞いた。サンパウロからだと3日ぐらいで行って帰ってこれると聞いたので、早速、行ってみる事にした。夜行バスに乗り6時間ほどで早朝のクリチーバに到着した。到着したバスターミナルのすぐ隣に鉄道駅がある。鉄道駅を探さなくても良いなんてステキな街だ。バスを降りてすぐに鉄道駅に行ってみたが、朝早すぎるので鉄道駅は開いていなかった。バスターミナルで朝食をとりながら鉄道駅が開くのを待つことにした。

簡単な朝食を食べ終えて、鉄道駅に戻ると鉄道駅の扉は開かれていた。駅構内には欧米人観光客が鉄道の出発時間を待っている。この鉄道は昔は交通手段の主役だったが、時代の流れとともに高速道路に取って代わられてしまったのだ。現在は観光列車として欧米人観光客に景色の雄大さを提供している。

鉄道チケットの窓口で当日のチケットを買い求めてみる。これだけの観光客がいるならば満席でも仕方がないと思ったが、ラッキーな事に当日のチケットを買うことが出来た。

俺を乗せた列車は8時過ぎにクリチーバの駅を出発して港町のパラナグアを目指してゆっくりと進み始めた。この鉄道のハイライトはクリチーバとパラナグアの途中にある渓谷だ。港町パラナグアと標高900メートルのクリチーバを隔てる渓谷だ。

クリチーバを出発して、しばらくの間は平坦な景色が続いた。しばらく行くと列車は渓谷の中に吸い込まれていくように景色が美しくなった。絶壁のギリギリのところにレールがひかれている。そこを通る列車からは足元のすくむ景色が展開される。やっぱり列車の旅は素晴らしい。

クリチーバからパラナグアまでの列車は3時間ほどでパラナグアに到着してしまった。俺が思い描いていたよりもかなり短い鉄道の旅だったが、十分満喫できた。昼前にパラナグアに到着してしまったので午後からはパラナグアの街を観光する事にした。最初に宿を決めてから観光する。なかなかステキな港街で、歩いて簡単に回ることの出来る小奇麗な街である。

次の日はバスでクリチーバに戻る。バスは頻繁に2つの都市を結んでいる。列車からは美しい渓谷を眺める事ができたが、高速道路を走るバスからはそんな眺めを見ることは出来なかった。これが列車とバスの違いであろう。

午前中のうちに最初にやってきたクリチーバのバスターミナルに到着した。このままサンパウロに戻るのももったいないのでその日はクリチーバに1泊する事にした。いつものように宿を見つけてチェックイン。それから、クリチーバの街を観光する。パラナグアよりも大きい街なので歩くだけでは観光は難しい。ドキドキしながらバスに乗る。とりあえずは街の中心を目指してバスに乗る。しかし、ちょっと間違うと何処に連れて行かれるか判らないところが恐ろしい。どうやら今回は無事に街の中心にやってくることが出来たようだ。バスの運転手が観光客が降りるのに最適な場所を教えてくれたので、そこで下車する。中南米の街はたいてい中心には教会が建っている。バスを下車したすぐ近くに教会があったので、とりあえず中に入ってみる。その街によって教会の雰囲気が違うので面白い。日本では味わえない雰囲気である。

近くで昼飯を食べて、午後からもクリチーバ観光を楽しむ。ふらふらと歩いているうちに宿の近くまで戻ってきたみたいだ。歩きつかれたので夕食までしばらく部屋に入って休憩する。夜になってから夕食を食べに外出。その日はちょっと贅沢な夕食を食べる事にした。なぜならその日は俺の誕生日だから。

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