キューバツアー

2002年12月に行った社会主義国のキューバツアーのご紹介。キューバツアーの時の資料は盗まれたのでありません。完全に俺の記憶だけを頼りにして書き起こしているので、事実と違うことがあると思いますが、その辺はご容赦を!!

2002年の12月にメキシコのカンクンから3泊4日のキューバツアーに出発した。キューバは予定になかったが、キューバからカンクンに帰ってきた人が同じ宿に泊まっており、その人の話が魅力的だったのと、キューバツアーの値段が思ったよりも安かったために、予定外なのだがキューバ行きを決断してしまった。

今回参加したツアーには往復の飛行機代とホテル代とホテルから飛行場までの送迎代が入っている至れり尽くせりのツアーである。ツアーといっても手配だけしてもらう個人旅行と一緒だ。それでも、日本を出発してカンクンまでは手配すら自分が現地でしていたので、そんな手配だけのツアーであっても久しぶりの快適で安心な旅である。

キューバという国は社会主義国である。日本などとは経済体制の違う国なので驚かされる事が沢山あるだろうと期待していたが、入国前の飛行機が滑走路に着陸するところから驚かされた。空港の滑走路の脇に墜落したであろう飛行機の残骸が転がっているのである。我々が乗っている飛行機も、いつこの残骸の仲間になってしまうかわからない。ちょっと、恐ろしさを感じた。キューバに入国する前からこんな感じである。

イミグレーションではパスポートにスタンプを押してもらえなかった。きっと、パスポートにキューバのスタンプがあると、どうせ何処かの合衆国が入国拒否するだろうから、配慮してくれたのであろう。

今回のキューバツアーは空港からの送迎が付いているので、空港で街まで行く手段を探す手間が省ける。やっぱりツアーは良いものだ。税関から出るとプラカードを持った兄ちゃんが待っていてくれた。他の旅行者も一緒に7人ぐらいまとめてワゴン車にのせられ街まで運ばれた。ホテルに到着した頃には既に夕暮れ時であった。

ホテルは4つ星ホテルである。星の付いてるホテルなんて久しぶりだ。それだけでも胸が躍る。チェックインして案内された部屋は最上階の6階。部屋からバハマの街を展望できて最高の景色である。さらに、バスタオルも付いている。さすが、4つ星ホテルである。

シャワーを浴びようと水道の蛇口をひねると水が出てこない。蛇口からコポコポと音がして少量の水がチョロチョロと流れ出てきた。こんな水圧ではシャワーを浴びることなどできない。コップ一杯の水を貯めるのにも30秒ぐらい待たなければならない水流なのだ。こんなところで社会主義国の本領発揮である。既に裸になっている俺はこのままだと風邪を引いてしまう。今はシャワーを諦め、服を着てフロントに文句を言いに行った。

フロントでしばらく待たされた後、部屋を変えてもらえることになった。素晴らしい対応に感激である。早速、部屋を移動する。新しい部屋も素敵な部屋である。だが、最初に蛇口をひねり水圧を確かめなくてはならない。蛇口をひねって水を出してみると水はチョロチョロしか出てこない。どうやら、どの部屋も同じような水圧みたいである。最初の部屋よりもまだましなので新しい部屋の水圧で諦めることにした。どうやら、キューバ滞在中はこの水圧で我慢するしかなさそうである。

初日にして社会主義国の本質を思いっきり体験する事ができた。

初日と最終日は飛行機での移動なので、実質的にキューバを楽しめるのは2日間である。この2日間でバハマを堪能するか1日は近郊の町まで行ってみるかを決めなければならない。近郊の町まで行くにはツアーを利用しなければいけない。ホテルのデスクでツアーを聞いてみるが予想以上に値段が高い。他にも1人、日本人のパッカーがいたので彼と一緒にツアーをシェアしようとしたが、日程が合わないので諦めた。

キューバの首都、バハマを2日間観光した。キューバは社会主義国なので何処となく、サービス精神がない。街の中も商業用の看板などはなく殺風景な感じを受ける。ドキドキワクワクの社会主義国家である。

社会主義国キューバの観光は博物館がもっぱらの観光である。バハマの街を博物館をはしごしながら見て歩く。本当に殺風景な街である。そんな中、海岸沿いの公園で日本庭園を発見した。日本人の支倉常長の銅像が建っている。キューバの地に江戸時代の人物、支倉常長銅像が建っているなんて驚いた。感激である。その一角だけは日本風の公園になっていた。

そのほかにも昔の砦をそのまま博物館にしていたり、軍事博物館があったり、ふらふらといろんな所を見て歩いているうちに2日間が過ぎてしまった。

キューバのサルサは素晴らしいと聞いていたのでナイトショーを見に行った。夜10時ぐらいからスタートである。始まる時間が遅すぎると思ったのだが、お客さんはかなり入っていて大盛況だ。ショーが終わったのは深夜1時頃。外は街頭も何もなく真っ暗である。歩いてホテルまで帰るには危険な雰囲気が漂っている。そこでココナッツ型のタクシーをつかまえてホテルまで帰った。ココナッツ型タクシーとは野球場でピッチャー交代の時にピッチャーが乗ってくる車に似た感じの黄色い乗り物である。原動力はバイクぐらいのエンジンである。見た感じは摩訶不思議な乗り物だが、実際に乗ってみると何の事はない普通のオートリキシャのようだ。それでも、その不思議な形のせいで何となくウキウキした気分になってしまう。

たった4日間のキューバツアーだったが、キューバ特有の体験をすることが出来て面白かった。キューバのバハマからメキシコのカンクンまでは飛行機で快適に運んでもらえる。予定通りに飛行機が到着すればお昼前にはカンクンに到着できるようだ。入国審査などで時間が掛かったとしても昼の1時ごろには空港を出ることが出来る。この予定だとカンクンで1泊せずに次の目的地、イスラ・ムへーレスという島に行く事がでそうだ。

しかし、カンクンの空港に到着してみると大量の人間で空港内があふれている。キューバに出発した3日前はこの半分以下の人間しかいなかった空港が、人間で埋め尽くされているのだ。飛行機を降りてこの光景を目にしても、現実を認識する事が出来ないぐらいの人間の多さである。そう言えば、何処かの合衆国の国民クリスマス休暇のために民族移動をする話を聞いた事がある。どうやら、今回はそれに巻き込まれてしまったみたいだ。カンクンはクリスマス休暇に人気のある場所の1つであるのを忘れていた。

この悪夢のような現実を受け入れるしかない。行列の最後尾を探し出してその後ろについた。俺が最後尾に並んで5分もしないうちに行列の最後尾は俺から100人以上に膨れ上がっている。行列はいっこうに前に進んでいる気配がない。今日中にイスラ・ムヘーレスまで行く計画を変更しなければならないかもしれない。このまま並んでいると、入国審査を通過できるのは3時を過ぎてしまいそうである。一時間以上並んでいても、ほとんど進んでいかない。この状況では今日の計画は諦めるしかない。開き直る以外にどうすることも出来ない。

やっと、入国審査を通過できた時には4時を過ぎていた。この時間からイスラ・ムヘーレスに行くのは無理みたいだがダメで元々、途中まででもイスラ・ムヘーレスを目指してみたら、何とかその日のうちに到着する事ができた。世の中、何とかなってしまうものである。

ちなみに、キューバのホテルのシャワーの水圧は最上階が悪いらしいのだ。同じホテルの5階に泊まった人の話ではシャワーの水圧に問題はなく、快適だったらしい。下の階の部屋に変えてもらえばよかったのだが、その話を聞いたのは年が明けて、グアテマラのアンティグアにいる時である。

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